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4重になった像の天体観測:同一の超新星の4つの像

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

恒星または銀河がちょうど一直線に並ぶと、重力レンズによって、天文学者が宇宙のより遠方を覗き見ることが可能になる。今回、非常に拡大されたIa型超新星を、この重力レンズの4つの像によって検出することが可能になった。アインシュタインの一般相対性理論の基礎の1つは、物質によって、周囲の時空が曲げられることである。このように時空が曲げられることによって、「レンズ」効果が生み出され、通過する光の経路が曲げられることにより、反対側にあるあらゆる天体の像が拡大される。しかしながら、天文学者がこの現象から恩恵を受けるためには、前方の十分に巨大な天体が、研究したいと希望している後方の目標と正確に一直線に並ばなければならない。超新星など、目標が短時間だけしか存在しない場合、正しく一直線に並んだ希少な事象が検出されて、これに続く観測が迅速に実施されなければならない。この論文では、Ariel Goobarらが2016年9月、米国カリフォルニア州にあるパロマー山天文台の全自動掃天システム(intermediate Palomar Transient Factory)を使用して、新たなIa 型超新星を検出しており、このIa型超新星が前方の銀河と正しく一直線に並んでいたと思われる。迅速に行動し、他の複数台の望遠鏡を使用して、iPTF16geuと呼ばれるこの超新星を詳細に観測することができた。高分解能データから、この超新星から出た光が、今回の重力レンズによって4つの像に分けられるとともに、約50倍に拡大されたことも示された。Ia 型超新星は、非常に予見可能かつ首尾一貫した形式で爆発するので、4つの異なる像を比較することによって、科学者が宇宙の膨張速度などの宇宙論パラメーターを決定する際に役立つ可能性がある。

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