News Release

アマゾン川流域の植物の優占種は過去の文明によって決定付けられている

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Plant Dominance in the Amazon Is Shaped by Past Civilizations

image: <i>Mauritia flexuosa</i>, an Amazonian domesticated hyperdominant species in the Negro River. This material relates to a paper that appeared in the 3 March, issue of <i>Science</i>, published by AAAS. The paper, by C. Levis at Instituto Nacional de Pesquisas da Amaz&ocirc;nia - INPA in Manaus, Brazil, and colleagues was titled, "Persistent effects of pre-Columbian plant domestication on Amazonian forest composition." view more 

Credit: Hans ter Steege

先コロンブス期の人々によって栽培されていた植物が、今なおアマゾン川流域の森林における優占種となっている可能性が非常に高いことが、新しい研究で明らかになった。今回の結果は過去の人間活動による影響が植物種の分布に重要かつ継続的な役割を担っており、理論的には過去の文明に関する未知の領域の解明に役立つ可能性があることを意味している。アマゾン川流域における植物の栽培は8,000年以上前から行われている。植物の栽培がもたらす永続的な影響をより詳しく理解するため、Carolina Levisらはアマゾン川流域の1,170か所の森林区域及び4,000種類以上の植物種に関する既存データを解析した。これにより、先コロンブス期の人々によって一時的、部分的あるいは完全に栽培されていた植物種が85種類特定された。驚くべきことに、これらの栽培種は栽培されていなかった種に比べて優占種となっている可能性が5倍も高いことがわかった。さらに栽培種は、先コロンブス期の居住地、塚、棚地及び岩絵といった遺跡周辺に集中して見つかっている。アマゾン川流域における栽培種の相対的な数の多さと豊富さの変化の30%は地域の環境条件によって説明がつき、またその20%は過去の人間活動を表す指標により説明できる、と著者らは報告している。今回の結果は、人間が栽培種によってアマゾン川流域の森林を豊かにしたのか、あるいは元々これらの種が豊富だったために人間がその近くに住むことを選択したのかという、「卵が先か、鶏が先か」に似た問題を提起している、と著者らは言及している。これについて著者らは、人間がアマゾン川流域の森林を豊かにした可能性が高いとしその理由を幾つか提示しており、他には見られない生態学的ニッチの存在を挙げ、複数の栽培種が予期しない場所で見つかっている事実も根拠の1つであると言及している。

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