News Release

VirScanで完全なウイルス感染歴が明らかになる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

このニュースリリースには、英語で提供されています。

VirScanとよばれる新しい技術は、一滴に満たない血液から、人がこれまで生きてきた間に曝露されたすべてのウイルスを同定できる。このスクリーニング法が世界中の569名に適用され、参加者がこれまでの生涯の間に平均して約10種のウイルスに曝露されたことが明らかになった。VirScanはヒトウイルス叢(human virome)(ヒトに感染することが知られているウイルス集団)と、ウイルス曝露により永続的に変化しうる免疫系の相互作用を研究するための強力で安価なツールである。これまで、ウイルスが残した消しがたい足跡(免疫系が放出した抗体)を測定する血液検査は、スクリーニングできるウイルスの数が限られていた。このような検査の使用可能範囲を拡大するため、George Xuらは、206種のウイルスの大規模なペプチドのデータセット(1,000種類以上の系統に対応)を使用し、すべてのヒトウイルスペプチドを合成的に再現した。Xuらは、このモデルを用いて、1サンプルあたりわずか25米ドルで、血液検体のウイルス抗体をスクリーニングできた。4つの大陸から得られた多種多様な試験参加者の検体により、1億600万を超えるペプチド抗体相互作用が明らかになった。ほとんどの人は、約10個のウイルスに曝露されたことがあったが、少なくとも2名のボランティアは84種のウイルスを経験していた。これらの知見は、保存された免疫反応、すなわち「共通したエピトープ」を強調しており、人々が非常に異なる割合でウイルスに曝露されているにもかかわらず、個人個人が同じウイルスに対してほぼ同じ抗体を放出している可能性があることを示している。Xuらは、血液検体が多ければVirScanの精度が改善でき、将来的には、細菌、真菌、原生生物にも適用できると考えている。

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Article #5: "Comprehensive serological profiling of human populations using a synthetic human virome," by G.J. Xu; T. Kula at Harvard University in Cambridge, MA; G.J. Xu at Harvard-Massachusetts Institute of Technology (MIT) Division of Health Sciences and Technology in Cambridge, MA; G.J. Xu; T. Kula; Q. Xu; M.Z. Li; S.J. Elledge at Howard Hughes Medical Institute in Boston, MA; G.J. Xu; T. Kula; Q. Xu; M.Z. Li; S.J. Elledge at Brigham and Women's Hospital in Boston, MA. For a complete list of authors, see the manuscript.


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