電池システムでは、多孔質グラフェンの足場をもつ電極を使用すると、セル（単電池）内のエネルギーの保持および輸送が大幅に改善することが、新しい研究によって明らかになった。通常、蓄積電荷密度を改善する技術は、イオンが材料中を移動する速度の改善を目指した技術と相いれない。ナノ構造材料は電気化学的なエネルギー貯蔵の点で非常に有望だが、こうした材料の使用は通常、電極が極薄で質量負荷がきわめて低い実験用セルに限られている。Hongtao Sunらは、穴の多いグラフェンを五酸化ニオブ電極に組み込むことでこの問題を克服した。ナノ細孔によって迅速なイオン輸送が容易になる。Sunらはナノ細孔の大きさを「微調整」することで、高い電荷輸送性を維持したまま、高い質量負荷の実現と発電能力の改善に成功した。関連するPerspectiveでは、Hui-Ming ChengとFeng Liが「実用的な質量負荷（10～20 mg cm–2）において、大きな面積容量と高い電流密度を同時に実現した前例はなく、これは商用セルにおける高性能電極材料の使用へ向けた重要な一歩といえる」と述べている。
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