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腸内に留まるカプセルはマラリアに対する新たな武器になる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らによれば、新たに開発されたカプセルは、腸内に留まって数週間からおそらくは数ヵ月にもわたって薬物を放出することで、長期にわたる治療遵守が依然として課題であるマラリアやその他の疾患に対する武器となる可能性があるという。今回ブタで試されて成功したこのカプセルが持つ極めて長期間にわたる薬物送達能力は、治療遵守と大規模な農村部の集団を対象にできる費用効果的なアプローチに頼る、マラリア根絶キャンペーン成功を支援する上で有用になると考えられる。世界保健機関によれば、処方通りに長期服用を行っているのは先進国の人々ではわずか50%、低開発国では約30%の人々だけである。米国だけでも、治療の非遵守のために年間1,000億ドルの医療費がかかっている。遵守不良は、効果的な治療法が利用可能であるにもかかわらず持続しているマラリアのような疾患と闘う上で、大きな障害となっている。治療遵守を改善する目的で、Andrew Bellingerらは、星形に拡張して胃の中に留まることで長期にわたり薬物を放出する、経口摂取できるカプセルをデザインした。Bellingerらは、マラリア原虫に寄生された蚊を殺すことでマラリアの伝播を阻止する抗寄生虫薬として幅広く用いられているイベルメクチン製剤を試した。ブタにおいてこのカプセルはイベルメクチンを10日間にわたり徐々に放出し、胃に損傷を与えたり食物の通過を妨げることなく、最終的に分解して安全に体外に排出された。研究者らは臨床データに基づいた数学モデルを用いて、イベルメクチンの長期徐放製剤を標準マラリア治療薬と併用することで、地域的なマラリア根絶の可能性を高めたことを示した。星形カプセルは、HIV感染や結核などに対する他の治療薬の送達にも採用される可能性があると、著者らは強調している

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