熱帯の鳴鳥が温帯の鳴鳥より子が少ないのはなぜかという長きにわたる疑問は、緯度によって分けられるこの種の生活史で説明できると考えられる。Thomas Martinはこの現象について納得できる説明を得ようと、アメリカ、マレーシア、ベネズエラのひな鳥の成長率を分析した。Martinによると、熱帯の鳴鳥はより短い期間でより長い羽に成長する。これはこれらの種が捕食から逃げる際に役立つと考えられる有益な利点である。したがって、熱帯の鳴鳥と温帯の鳴鳥がほぼ同じ期間で巣立つとしても、熱帯の鳴鳥の方が飛翔能力は高い。Martinはさらに温帯の鳴鳥には同じような羽の成長は見られないと述べている。これは、餌が少ないことと、特に、温帯の鳴鳥は成鳥の死亡率が高いという生活史に起因する。成鳥の死亡率が低いということはつまり、熱帯の鳴鳥は子が少ないが、子に対して多くの餌を与えることができ、そのおかげで子は生き残る可能性が高いと考えられる。一方、温帯の鳴鳥は多くの子を産む必要があり、生き残ることに対する期待の「質」が低い。
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Article #12: "Age-related mortality explains life history strategies of tropical and temperate songbirds," by T.E. Martin at U.S. Geological Survey in Missoula, MT; T.E. Martin at University of Montana in Missoula, MT.
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