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地球規模の漁場にとって、やはり世間は狭かった

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

海洋漁場とそこに棲む魚は、1つしかない、相互に密接なつながりのある、地球規模で共有している資源であり、国際的管理や経済水域を超越したものである。それは主に、魚卵と小さな幼魚が分散し、速い海流に乗って遠く広範囲に運ばれるからだと、研究者は報告している。世界中で商業的に採捕されている700魚種以上に関して、国際的つながりと経済的貢献を地球規模で分析した結果、地球の漁場内に「スモールワールド(狭い世間)」のネットワークが広がっていること明らかになった。著者らによると、こうしたつながりがあるということは、一部の非常に重要な海域で漁場管理が不十分になったり環境が攪乱されたりすれば、遠く離れた漁場や、食料・生活を漁業に頼っている何百万人もの人々に、大きな経済的影響を及ぼす可能性があることを示唆している。多くの国は漁業資源を自国の資源であるかのように、国際的に設定した排他的経済水域(EEZ)内で別個に管理している。しかし、魚はそんな勝手な境界線など気にせずに、行政区分をはるかに越えてつながっていることが多い。漂流する幼魚には特にこの傾向が強いが、EEZを越えた幼魚のつながりが漁業に及ぼす影響はほとんど解明されていない。Nandini Rameshらは、海洋動態モデルと、ネットワーク分析と、747魚種の生活史データを用いて、EEZ間の幼魚の分散を調べた。その結果、幼魚の国際移動は総漁獲量のかなりの部分(おそらく毎年100億ドル以上)を占めている可能性が示され、自国の管轄外のEEZに依存することで生じる経済的リスクが浮き彫りになった。Rameshらによると、こうした地球全域にわたる漁場の相互依存によって、1つしかない地球規模のネットワークが形成されているという。このネットワークは、相互に密接なつながりがあり、特に重要な生産の拠点が複数あることが特徴だという。

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