News Release

気候変動――マルハナバチの行動圏が縮小

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

York University Professors Explain Research

video: This is a video of York University professors Laurence Packer and Sheila Colla talking about their research on bumblebees. view more 

Credit: [Credit: York University]

このニュースリリースには、英語で提供されています。

多くの動物の地理的行動圏は気候変動に応じて北方へ拡大しているが、北米および欧州に生息するマルハナバチの場合は縮小していることが、新しい研究によって示された。この研究によると、このマルハナバチは北方へ移動できていないうえに、生息地の南部では行動圏が縮小しているという――北米および欧州ともに、行動圏が最高で300キロメートル減っている。この研究結果から、農業に重要な役割を果たす花粉媒介者であるマルハナバチは、地球温暖化に対して脆弱なことが判明し、他の種よりも気候の影響を受けて急速に減少しやすいことが示唆された。気温の温暖化に応じて、多くの動物種は地理的な行動圏を北方へ移している。マルハナバチも気候変動に応じて同様の行動をとってきたかどうかを調べるため、Jeremy Kerrらは欧州および北米のマルハナバチ67種について、1901~2010年における位置情報付き観察記録のデータベースを作成した。そして、個々の種について、ここ数十年における北方移動の変化を、より涼しい気候だった1901~1974年のマルハナバチの活動を基準にして比較した。驚いたことに、暖かかったここ数十年間、マルハナバチは行動圏を北に移していなかった。同時に、行動圏の最南にある最も気温の高い地域からは姿を消していた。Kerrらは、土地利用や農薬散布といった気候変動以外の要因が、南部地域における行動圏の縮小に及ぼす影響を評価した――しかし、顕著な相関性は見られなかった。マルハナバチが他の多くの陸生動物のように行動圏を北方へ移さない理由を解明するには、さらなる評価が必要だという。今回の結果から、気候変動に対する脆弱性を研究するには、種の地理的行動圏の南北両端を研究することが重要であることが明らかになった。

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Article #12: "Climate change impacts on bumblebees converge across continents," by J.T. Kerr at University of Ottawa in Ottawa, ON, Canada, and colleagues. For a complete list of authors, see the manuscript.


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