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ある膣内常在菌が抗HIV薬の効果を弱める:

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ある種類の膣内常在菌がHIV予防に使用する薬剤を急速に効かなくすることが南アフリカの女性を対象とした研究で明らかになった。この結果により、この特別な薬の効果が女性の場合には期待にそぐわない理由が説明できる。今日、女性のHIV感染率の高さが世界的に健康上の大問題となっている。感染のリスクが高い男性の場合は一般的に抗HIV薬テノフォビルがHIVウイルスを予防するが、女性の場合にはこの薬の効果は様々である。この効果のばらつきにおける微生物叢の役割を調査するため、Nichole Klattらは南アフリカの女性を対象としたHIV予防のテノフォビル膣内ジェルの効果を評価する臨床試験の被験者の一部から集めたサンプルを使用した。残念なことに、この研究期間中に一部の女性はこのウイルスに感染した。Klattらは分析を行ったサンプルの中で主要な膣内常在菌構成を2つ発見した。ラクトバチルス属(Lactobacillus)が多数を占めるものと、ガードネレラ・バギナリス(Gardnerella vaginalis)が多数を占めるものである。膣内にラクトバチルス属が優勢な女性はそうでない女性に比べてHIV感染予防率が約3倍であることをKlattらは発見した。HIV感染率が高いのはガードネレラ・バギナリスが優勢な女性であることも判明した。これはガードネレラ・バギナリスがこの抗HIV薬の活性体をすばやく代謝し分解することができるためである。これらの研究結果は病院でどの患者にこの薬を投与するかを判断したり、公衆衛生プログラムや臨床試験を設計したりする際に影響してくるであろう。関係するPerspectiveではSusan TuddenhamとKhalil G. Ghanemが、この研究により「膣内微生物叢の構成、機能、動態の解明を進めなければ、それを最適化して女性の健康を向上するための介入を成功させることは難しいままである」ことが分かったと述べている。

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