News Release

2万2000回の小地震から3Dの断層形状および群発地震の推移が明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

2万2000回以上の地震を地図化することによって、米国カリフォルニア州南部カウィーア・バレーの地下に広がる複雑な断層構造について、詳細な3次元画像が作成された。新しい研究によると、4年にわたってこの地域を揺らした群発地震は、複雑な断層構造と自然の地下流体との動的相互作用によって誘発されたと考えられるという。また、こうした謎の多い地震の推移についても新たな見解が得られた。地震断層は、非常に複雑な3次元構造をもつことが知られているにもかかわらず、断層の全体構造を表す標準モデルでは、2次元に単純化されることが多い。しかし、そのような理想化された表現では、群発地震(長期にわたる局地的な地震活動。数年にわたって断続的に発生することもある)の動的な地震活動度をほとんど説明できない。群発地震の揺れは小さいものが多いが、この現象の継続期間や、個々の地震がもつ潜在的重大性は予測できないため、公共の安全が懸念されている。著者らによると、3Dの断層形状を理解することは、群発地震の複雑な推移を理解するうえで欠かせないという。Zachary Rossらは最新鋭の地震検出アルゴリズムを用いて、2016~2019年にカリフォルニア州南部カウィーアで発生した群発地震について、2万2000回以上の地震の一覧を作成した。地震の位置、深さ、大きさをプロットするよう学習させた機械を使って、Rossらは地下に広がる断層帯構造の高精細3D画像を作成した。その結果、複雑だが透水性のある断層構造が明らかになり、おもに下からの自然の流体流入による大きな圧力変化が、カウィーアの群発地震の推移に影響を与えていたことが示唆された。この新しい手法は、世界中の類似した断層や地震の特徴を明らかにする際にも使用できる。

###


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.