News Release

地球初期の人為的改変に関する地球規模の評価

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

人間が改変した地球上の遺産を理解するために「ビッグデータ」を利用した新しい研究によると、古代の土地利用を地球規模で考古学的に評価したところ、遅くとも3000年前にはすでに、有史以前の人間の活動によって地球の生態環境は大幅に改変されていたことが判明したという。この結果は、初期の狩猟採集民・農民・牧畜民が地球の地勢に対して、これまで考えられていたよりもはるかに大きな(そしてかなり早い時期から、広範囲にわたって)影響を与えてきたことを示唆するものであり、また、こうした大規模な人為的環境変化は最近の現象であるとする「アントロポセン(人新世)」という新たな枠組みに異議を唱えるものでもある。農業と家畜の登場から野生の動植物に対する圧力増加に至るまで、古代人の活動による強い影響力は、地勢に刻まれていることが多く、世界中の古代遺跡に広範囲に見受けられる。しかし、人間による土地利用の世界的規模や軌跡、環境への影響といった詳細はよくわかっていない。これはおもに、考古学のデータセットは多種多様で定性的なものが多く、多くの点で互換性がないことが原因である。Lucas Stephensらは、世界中の255人の研究者がもつ地球規模の考古学的情報をクラウドソーシングによって統合する「ArchaeoGLOBE」プロジェクトのデータを利用して、1万年前の氷河時代の終わりから近代工業時代の始まりまでの、古代の土地利用と人間の影響に関して、包括的な地球規模の状況をまとめた。大規模なメタ分析によって、Stephensらは長期にわたる土地利用を世界中の地域別に評価することが可能になった。その結果、動植物の家畜化・栽培化や本格的な農業が始まる前からすでに、人間の活動によって大幅でときに取り返しのつかない地球の改変が行われていたという、深い根源が明らかになった。関連するPerspectiveではNeil Robertsが、「共同の『ビッグデータ』を用いた今回の分析結果は驚くべきものであり、人間による地球の改変が、初の原爆実験や蒸気機関の発明といった、アントロポセン(人新世)の起点として挙げられる出来事よりずっと以前に始まっていたことがわかる」と述べている。

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