News Release

腫瘍に関連する細菌は便乗して転移部へ移動する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

結腸直腸がん患者の原発腫瘍にいるのと同じ細菌が肝転移腫瘍にもいることが、新しい研究によって判明した。さらに、細菌の存在が腫瘍の増殖と関連していることも判明した。これまでの研究では、ヒト結腸がんにFusobacterium nucleatumが多いことが判明していた。結腸がんが体の他の部位に転移した場合もこの細菌の住みかとなるかどうかを探るため、Susan Bullmanらは結腸がん患者の原発腫瘍とそれに付随する肝転移腫瘍の検体を分析した。彼らは転移腫瘍にFusobacteriumが存在するのを確認しただけでなく、その菌株が同一個人の原発腫瘍に見られるものと非常に似通っていることも見いだした。注目すべきことに、原発腫瘍にFusobacteriumのいない患者は転移腫瘍にもその細菌はいなかった。研究者らがFusobacteriumのいる腫瘍をマウスに移植すると腫瘍は根付いたが、細菌のいない腫瘍は根付かなかった。最後に、Fusobacteriumのいる腫瘍をもつマウスを抗生物質で治療したところ、腫瘍内のFusobacteriumは減少し、腫瘍の増殖も遅くなった。著者らはこれらの結果に基づき、Fusobacteriumは転移腫瘍細胞と一緒に遠隔臓器へ移動し、その部位への定着を手助けしているのかもしれないと推測している。

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