News Release

ケレスで検出された有機化合物はこの準惑星自体で形成されたものだった

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

脂肪族有機化合物は炭素の骨格をもつ構成要素であり、生命を作り出す化学反応に関与しているとされている。この脂肪族有機化合物が、準惑星(以前は小惑星に分類されていた)ケレスで初めて検出されたことが、新しい研究によって明らかになった。さらに、この有機物質はこの準惑星自体で形成されたものであって、他の供給源から飛来したものではないことが、データによって示唆されている。今回Maria Cristina De Sanctisらは、探査機ドーンに搭載された可視光・赤外線マッピング分光計を使用して、ケレスにあるエルヌテトというクレーター付近の地表を観測した。この装置は、脂肪族有機物中に存在するメチル基およびメチレン基に特有の波長において、吸収を検出した。データが不十分なため、存在する分子化合物を正確に特定することはできないが、ケライトやアスファルタイトといったタール状の鉱物に似ている。著者らによると、これらの化合物は衝突時に外部の供給源からもたらされた可能性は低いという。なぜなら、衝突時の超高温によってこの種の化合物は壊れたはずであり、表面分布の仕方も予想されるものと違うからである。ケレスは大量の水を有しており、形成期から内部熱を保持している可能性があることから、これらの有機化合物がこの準惑星内部で発生したことが示唆される。関連するPerspectiveでは、ケレスで最近発見された水と複雑な分子について、Michael Küppersが論じている。

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