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科学研究改革における課題に直面する中国

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Policy ForumでCong CaoとRichard P. Suttmeierは、中国がその科学技術(S&T)開発戦略を改革する試みとして行っている膨大な取り組みと直面する課題を取り上げている。また、関連するPerspectiveでは、さらなる課題をもたらしているものとして中国の研究界における「えこひいき」の風潮に焦点が当てられている。中国のS&Tにおける進歩は、過去数十年間にかなりの速さで進んできたが、近年になって中国の政治的リーダーたちは、これらの進歩が純粋な革新ではなく「技術的キャッチアップ」に近い性格のものであったことに懸念を持ち始めた。このため、2013年以降の政府の方針は、国内の研究機関およびより広い革新システムを抜本的に改革することを目指すようになった。新たな財政的枠組みのもとで、中国のS&Tプログラムは、政府のR&D支出をより効率的に使用すること、また基礎研究の商業化へのトランスレーションをより効率的に成し遂げることを目的として再編されてきた。著者らはまた、中国科学院の傘下にあった100を超える研究所を4つの大きなカテゴリーに再編成するというイニシアティブなどの、研究機関およびプロジェクトの管理における変化に焦点を当てている。技術の移動に関しても、中国政府は、研究者が企業と提携してアルバイトをする自由を認めるという方針を承認した。これらの有望な改革にもかかわらず、著者らは、こうして生まれた委員会、研究所および他の機関の自律性が不透明であると指摘する。これらの改革により、科学者たちは、非生産的となる可能性のある組織的な混乱に直面しているとCaoとSuttmeierは述べたうえで、こうしたアプローチが中国の政治的風土という枠組みの中でうまく機能するかどうかは、まだ分からないと結論付けている。

関連するPerspectiveでYu Xieは、最近のある研究を取り上げている。この研究は、中国で最も権威ある2つの研究機関のメンバーの選定が、「関係guanxi」すなわち個々人の出身地に関わる社会的人脈に影響を受けている可能性があることを示したものである。この研究によれば、選定委員会のメンバーと故郷が同じである場合に、候補者が実際に選定される確率が約40%も上昇するという。Xieは、科学研究における同様の「えこひいき」は他の文化の研究でも認められると指摘し、こうした研究は「科学というものが、結局のところ人間の行動に影響を与えるとともに、人間の行動から影響を受ける1つの社会制度であることを、我々に再認識させてくれる」ことを強調している。

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