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ホバリングするスズメガの暗視能力は自然に適応している

American Association for the Advancement of Science

このニュースリリースには、英語で提供されています。

薄明かりや暗闇の中で夜行性昆虫が非常に効率よく餌を集められるのはどうしてだろうか。Simon Sponbergらの新しい研究により、明け方や夕暮れに花の上でホバリングして蜜を吸うタバコスズメガ(Manduca sexta,)の視力はそよ風になびいて揺れる花の動きにうまく順応していることが示された。これらの研究結果によると、スズメガの視力も飛行能力も唯一の食糧源である花の動きに完璧に適合するように進化したと考えられ、これにより微光下で敏捷な昆虫が風に揺れる花を追跡できる仕組みが説明できる。Sponbergらは、米粒より小さな脳しか持っていないスズメガは視覚情報をゆっくり処理することで薄暗い状況を補完しているという仮説を立てた。しかしSponbergらはまた、このような補完処理によって個々の反応時間が短くなることも分かっていた。そこで彼らは、様々な周波数で左右に動くようにプログラムされたロボットアームに取り付けた造花を使い、ホバリングするスズメガを調査した。その結果、月明かり程度の光の下でのスズメガの追跡反応は、夕暮れの早い時間程度の光と比較して約17%低下したことが判明した。しかしSponbergらはまた、造花の動きが重要な要素であることも発見した。造花が1.7ヘルツより速く動くとスズメガは花の追跡が困難になった。その一方で、造花が1.7ヘルツ未満で動くと問題はほぼなかった。Sponbergら研究チームはスズメガが好む花の一部の風に揺れる動きを分析し、そういった花の動きの94%は1.7ヘルツ以下であることを発見した。これらを総合すると、スズメガの視力は自然環境下の光と動きに精密に適応しているため、視覚処理の減速という落とし穴を回避できることが判明した。PerspectiveではEric Warrantが今回の研究をさらに詳しく説明している。

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Article #22: "Luminance-dependent visual processing enables moth flight in low light," by S. Sponberg; J.P. Dyhr; R.W. Hall; T.L. Daniel at University of Washington in Seattle, WA; S. Sponberg at Georgia Institute of Technology in Atlanta, GA; J.P. Dyhr at Northwest University in Kirkland, WA.

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