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Science誌を発行するAAAS、科学の透明性と社会的信用を高める一助とするために査読評価(PRE)サービスを買収

American Association for the Advancement of Science

このニュースリリースには、英語で提供されています。

Science誌とその姉妹誌を発行する米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science:AAAS)は、本日、オリジナル研究の査読過程の透明性を高め、より検証しやすくすることによって科学の社会的信用を高めるウェブベースの査読評価サービス「Peer Review Evaluation(PRE)」を買収したと発表した。

PREでは、読者、出版社、著者の利便性が考慮されており、研究論文の評価過程を示す詳細画面をカスタマイズできる。「PREテクノロジーでは、一目でわかる"バッジ(印)"の表示によって、査読過程の各段階についての情報と、各ジャーナルの取り組みと評価についての情報を提供します」とScience誌の発行人であるKent Anderson氏は言う。「PREを利用すれば、誰もがより簡単に、正当な科学誌の論文を識別し、査読の履歴をより詳しく把握できるようになります」

また、2014年にJournal of Bone and Joint Surgery, Inc.(JBJS)によって開始され、2015年6月30日にAAASによって買収されたこのテクノロジーは、学術出版における透明性とベストプラクティスの原則(Principles of Transparency and Best Practice in Scholarly Publishing)にも合致しているのだとAnderson氏は言う。この原則は、出版倫理委員会(Committee on Publication Ethics:COPE)、世界医学雑誌編集者協会(World Association of Medical Editors:WAME)、オープンアクセス学術出版社協会(Open Access Scholarly Publishers Association:OASPA)、オープンアクセスジャーナルのディレクトリ(Directory of Open Access Journals:DOAJ)によって確立されたもので、加入するジャーナルに対して、掲載論文が査読済みのものかどうかを明記し、査読手順を公開するように促している。

JBJS誌とその姉妹誌、および米国糖尿病協会(American Diabetes Association)が発行するジャーナルのユーザーは、すでにPREを利用できる。今後は年内にScience誌、Science Translational Medicine誌、Science Signaling誌、Science Advances誌にもPREが組み込まれ、利用できるようになる。

「ジャーナルごとに取り組みにばらつきがあることが一因となって生じている科学への不信を払拭するには、科学的内容について査読済みであると宣言するだけでは、もはや不十分です」とScience誌とその姉妹誌の編集長Marcia McNutt氏は言う。「PREは、健全で透明性の高い査読過程を経ることでかならず、より信頼に値する最終成果物が生まれる、との信念に基づいて構築されました。科学界だけでなく、より広い社会がこの恩恵を受けることになります」

PREは、出版プラットフォームHigh Wire PressやAries Systemsの論文投稿査読システムEditorial Managerとの統合サポートも従来どおり継続する。他の学術出版プラットフォームや論文投稿システムとの統合についても、すでに開発が進んでいる。

出版社の投稿システムと統合された場合、PREでは、投稿後の進捗状況について、投稿日と受理日、査読者の人数、評価における各査読者の役割、必要な場合は査読者からのコメントなど、より詳細なレベルまで表示されるように設定できる。

この先、AAASは、PREテクノロジーの開発をさらに進め、著者が裏付けデータを適切なリポジトリに登録したかどうかを検証できるようにする計画である、とPREのProduct DirectorであるEric Hall氏は言う。「受理された論文の著者によるデータ登録を確認することはとても重要ですが、編集者にとって時間と手間のかかる作業なのです」とHall氏は説明する。「次世代のPREテクノロジーでは、著者らが、自分たちの研究結果を他の研究者が完全に利用できるように、すなわち他の研究者が結果を再現したり、得られた知見についてより詳しくレビューしたりできるように、手配したかどうかまで確認できることでしょう」

Science誌の発行人であるKent Anderson氏はさらに、AAASは今後のPRE開発のロードマップの一環として、オープンサイエンスの実践や、査読者と出版社の認証サービスとトレーニングサービスの実現を後押しするためにPREを活用する道も探っている、とも述べた。

また、Anderson氏は、PREの創設者Adam Etkin氏の先駆的業績を称えている。「われわれは、倫理にかなう厳格な査読の促進に向けてPREを開発したAdam Etkin氏のイノベーションとリーダーシップの恩恵を受けています」とAnderson氏は言う。「彼のビジョンと創造性は、学術出版の最高水準を絶えず引き上げてきました。PREの責任者としての立場からは退くことになりますが、今後も前進し続ける姿を見せてくれるものと期待しています」

AAASによるPREの買収は、有限責任事業組合Venable 法律事務所に所属する同僚の支援を受け、STM Advisers有限責任会社のMichael Clarke氏、Joe Esposito氏、David Lamb氏によって手続きが行われた。「この買収は、社会に貢献しながら科学を進展させるというAAASのミッションを支えるものです」とClarke氏は言う。「AAASという後ろ盾を得た今、PREのテクノロジーは、学術出版界全体で査読過程の透明性と統合性を高める強力なプラットフォームを生み出します」

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米国科学振興協会(AAAS)は世界最大の総合科学団体であり、科学誌Scienceのほか、Science Translational MedicineScience Signaling、オープンアクセス電子ジャーナルScience Advancesを発行しています。AAASは1848年に設立され、現在は約250の提携団体と科学アカデミーが所属し、1000万人にサービスを提供しています。Science誌は、世界最多の有料発行部数を誇る査読付き総合科学誌です。非営利団体AAASは、すべての人に開かれた団体であり、科学政策、国際プログラム、科学教育、公共的関与などを主導することによって「科学を進展させ、社会に貢献する」というミッションを果たしています。AAASが提供するプレミアな科学ニュースWebサイト、EurekAlert!にログオンすれば、最新の研究に関するニュースをご覧いただけます。http://www.aaas.orgを是非ご覧ください。

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