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過去の二酸化炭素濃度の急上昇は海洋循環の強まりに付随して起こった

American Association for the Advancement of Science

このニュースリリースには、英語で提供されています。

最終退氷期に、二酸化炭素濃度と北半球の気温が2回急上昇した。新たな証拠によって、この急上昇が深海の「フラッシング」現象に付随していたことが裏付けられた。大西洋子午面循環(Atlantic Meridional Overturning Circulation:AMOC)は、南北半球間の表層水と深層水をかき回す循環であり、熱輸送に重要な役割を果たし、ひいては気候にも影響を及ぼしている。過去2万年間の大西洋循環を分析するため、Tianyu Chenらは赤道大西洋とドレーク海峡で、さまざまな年齢の深海サンゴのサンプルを数多く集めた。深海サンゴは長期にわたり海洋における炭素貯蔵の指標の役割を果たしているからである。彼らは放射性炭素測定を行い、深海水の隔離を数千年前まで遡って調査した。ハインリッヒ亜氷期1とヤンガードリアスの終わりに、大気中二酸化炭素が劇的に増加したのだが、調査の結果、この二大気候事象と期を同じくして深海の放射性炭素が減少していることがわかった。これにより、AMOCが強まったために深海中の過剰な炭素が追い出され(フラッシング)、二酸化炭素が大気中に放出されたことが示唆された。さらに著者らによると、2回のフラッシング現象の後、比較的急速に現代に近い炭素濃度に戻っているという。AMOCのピーク強度が低下するタイミングは500年未満で訪れたことが示唆されており、これはモデル化研究によるAMOCの予測とも一致するという。過去の二酸化炭素濃度上昇と海洋循環との関係に関するこうした見識は、現代の気候変動で何が起こるかについて、貴重な手掛かりを与えてくれると考えられる。

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Article #20: "Synchronous centennial abrupt events in the ocean and atmosphere during the last deglaciation," by T. Chen; L.F. Robinson; P. Spooner; P.J. Morris; H.C. Ng at University of Bristol in Bristol, UK; A. Burke at University of St. Andrews in St. Andrews, UK; J. Southon at University of California, Irvine in Irvine, CA; P.J. Morris at International Atomic Energy Agency in Monaco.

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