Public Release: 

エピジェネティクスがアリの行動に作用する仕組み

American Association for the Advancement of Science

エピジェネティックな変化を起こさせる化合物をアリに投与することで、アリの行動を変えることに成功した。エピジェネティクスは環境因子が遺伝子のスイッチを「オン」にしたり、「オフ」にしたりするプロセスで、Daniel Simolaらの研究結果によって、エピジェネティクスが行動に対して永続的な効果をもたらす仕組みが示された。アリのコロニーはそれぞれのアリが特別な責任を担うという形で労働力が構造化しており、それゆえにエピジェネティクスの研究に非常に適したモデルとなっている。本研究ではCamponotus floridanusと呼ばれるフロリダオオアリの2つのコロニーの観察を行った。マイナーワーカーと呼ばれるアリは小型で採食の役割を担い、メジャーワーカーは大型でたくましい兵隊アリとして働く。これまでのエビデンスにより、これら2種類のアリは同じ遺伝子を多く持っているが、エピジェネティックなプロセスによって違いが出てくることが示されている。特にヒストンH3(H3K27ac)の化学修飾は、Camponotus floridanusの採食行動を促進することが知られている。SimolaらはH3K27acの効果を調べるためにマイナーワーカーにH3K27acのアセチル化を促進する化合物を与えてみたところ、採食行動が増えることを発見した。そこでSimolaらは、H3K27acアセチル化の促進効果がより高い化合物トリコスタチンA(TSA)を用いてメジャーワーカーにおけるエピジェネティックな変化の力を調べた。行動可塑性を制限する脳内の分子バリアが出来上がる直前のまだかなり幼い成長期にあるメジャーワーカーの脳にTSAを直接注入したところ、これらメジャーワーカーの採食行動が激増することを発見した。驚いたことに、単回投与の30~50日後まで、TSAを注入されたメジャーワーカーは採食行動が大幅に増加し、このことはエピジェネティックな変化は永続的な効果をもたらせることを示唆している。

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