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土器はタイムカプセル:4,300年前の日本の土器からゴキブリの卵の痕を発見

Kumamoto University

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IMAGE: Scanning electron microscope (SEM) image of a cockroach egg case silicone replica. view more

Credit: Prof. Hiroki Obata

Long ago, in a field far away...

4,300年前の日本土器片からゴキブリの卵の痕が発見されました。熊本大学によるX線やCT、走査型電子顕微鏡を使った土器の最新調査で、日本の古代人の生活が次々に明らかになっています。

These are impressions you are looking for.

「土器の中には宝物が詰まっている」と、考古学の研究者は言います。土器の中に? これは土器が容れ物である以上当たり前のことと思われるかもしれませんが、宝物は容れ物の中の空間ではなく、土器そのものの中に閉じ込められているのです。

「土器の表面に空いている無数の穴は、近年になるまでほとんど注意を払われてきませんでした」と、熊本大学で考古学を研究する小畑弘己教授は言います。「ここ25年ほどで、この穴が持つ重要な意味が広く知られるようになりました。つまり、この穴は、植物の種や実、昆虫、貝が押しつけられた痕であることがわかったのです」。

屋内で土器を作る際に混入したアズキやダイズ痕から、その地域での栽培開始の時期を推測することができます。また、圧痕はその時代、そこに暮らしていた人々の生活環境を知る重要な手がかりでもあります。さらに、圧痕の定量的な調査を行うことで、植物の伝播や栽培の範囲を知ることができます。

小畑教授らの研究グループが富山市 縄文時代前期の「小竹貝塚」の土器を調べた際、目視では土器の表面に66点しか確認できなかった圧痕が、X線、CTや走査型電子顕微鏡を使って詳細に調査したところ、土器内外に実に500点以上あることがわかりました。圧痕は、エゴマの実によるものでした。特に土器の内部に存在する圧痕は、その時代にしか混入し得ないものです。

That's no seed. That's a cockroach impression.

今回、土器の痕から発見されたゴキブリの卵鞘は、レプリカ法という手法で調査されました。これは圧痕の中にシリコンを流して型を取り、作成したサンプル(レプリカ)を走査型顕微鏡で詳細に観察するものです。この方法で調査されたゴキブリの卵鞘は、11mmほどの長さでした。これはクロゴキブリという種類のゴキブリの卵の鞘で、中国南部が原産地です。クロゴキブリは日本では18世紀頃(江戸時代)に文献や絵画で存在が確認されています。これ以前に文献などに見られるゴキブリは在来種の別のゴキブリと考えられてきました。

卵の鞘が発見された土器は、日本の縄文時代後期の遺跡である、本野原遺跡から出土したものです。それぞれおよそ4,000年前と4,300年前の2つの土器からそれぞれ1つずつ圧痕がみつかりました。つまり、今まで文献や絵画から推測されてきたより、実に約3,700~4,000年も前から日本にクロゴキブリがいたことが考古学的に証明されたのです。

Maize weevils be with you

小畑教授らは、1年前にも、コクゾウムシという昆虫の圧痕を、同じ遺跡から出た土器の中から173点見つけたことを発表しました。これは、それまで日本国内で検出されたコクゾウムシの圧痕の約半分にあたります。

「コクゾウムシは、定住的な集落にあるドングリやクリといったデンプン質の貯蔵食物を食べる害虫です。コクゾウムシやゴキブリがいるということは、そこで人々が定住的な生活を送っていたことを示します。」と小畑教授は言います。「また、日本国内において、今まで考えられていたより古くから、人の住環境のそばにゴキブリがいることが今回の研究で明らかになりました。土器の中からは、人の生活に即したものが次々に見つかります。土壌の中に残りにくいもの、柔らかいものや小さいものも、まるでタイムカプセルのように土器の中に痕としてきれいに残されています。古代の人々が何を食べていたのか、だけでなく、どんな環境に暮らしていたかの重要な手がかりが、土器の中に詰まっているのです」

今後、更なる調査が期待されます。

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