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抗体がHIVに対するヒトの免疫応答を増強する

American Association for the Advancement of Science

2つの新たな研究により、HIVに結合する強力な広域中和抗体の投与がヒトで強い免疫応答を惹起し、感染細胞のクリアランスの加速化さえ可能であることが明らかにされた。まず、Till Schoofsらは、15例のHIV感染患者に1種類の広域中和抗体(bNAb)の単回注射を行ったところ、ほとんど全員でウイルス量の一過性の減少が認められた臨床試験の結果を分析した。6ヵ月の期間にわたり、対照群における中和活性は、その範囲にも強さにも一貫した改善を示さなかった。これに対して、bNAbである3BNC117を注射されたHIV陽性の15例では、1人を除く全員で、24週目にウイルスに対する応答の範囲ないし強さが増加し、その効果は小さいものから劇的なものまでの範囲であった。興味深いことに、24週目にHIVは3BNC117に対する耐性を発現したようであるが、 特定の抗原を特異的に認識してこれと結合する主要な蛋白質である免疫グロブリンG(IgG)が、3BNC117注射の24週後にHIVの3BNC117感受性株と3BNC117耐性株の両方に対して強い全般的な応答を示したことが認められた。3BNC117はHIVに対する宿主免疫応答を明らかに増強した一方で、その理由は依然としてほとんど不明である。

Ching-Lan Luらによる3BNC117の分析では、この抗体は新たな細胞の感染を阻止するだけでなく、感染細胞のクリアランスも加速化することが明らかにされた。Luらは最初、ヒトにおける経時的な3BNC117の量について、半減期から予想された量と実際の量との間に差があること、そしてこれが、抗体の一部が循環血中のウイルス粒子だけでなく、HIV感染細胞を標的としている可能性を示唆していることに気が付いた。マウスの実験から、3BNC117はin vivoでHIV-1感染細胞のクリアランスを加速化でき、クリアランスは患者から分離されたT細胞でも観察された。次いでLuらは、3BNC117はそのFcγ受容体の変異または阻害によって、感染細胞のクリアランスにおける効果を失うこと、またこのことはFcγ受容体が 3BNC117介在性のHIV感染細胞のクリアランスの背後にある主要な機構であることを示唆していることを見出した。これらの研究を合わせると、bNAbである3BNC117はHIV感染における有効な治療標的となり得ることが示唆される。

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