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南極のオゾン層、回復の兆し?

American Association for the Advancement of Science

南極上空のオゾン層に穴(オゾンホール)が確認されてから数十年間経過し、その間オゾンホールが消えることはなかったが、オゾン濃度は増加傾向にあり、「回復」し始めていることが新しい研究で報告されている。約30年前に合意された歴史的な協定は、地球で2番目に主要な大気層(成層圏)におけるオゾン濃度の減少速度を低減させただけでなく、検出可能なレベルでオゾン濃度の増加をもたらし、良好な結果へと導いていることを今回の結果は示している。「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」は、オゾンを破壊する複数の物質の製造を段階的に規制することでオゾン層を保護する目的で1989年に発効された国際条約である。政治的・科学的観点に加えて広く公益の観点から、本協定と関連する取り組みによってどの程度オゾン層が回復してきたかを把握することが求められている。今日までの解析によって、同協定の合意以降成層圏のオゾン層が回復の初期兆候を示していることはわかっていたが、こうした兆候のほとんどはオゾン濃度の減少速度の低減とオゾン層の破壊状況が現状を維持していることを示すものであり、極域でのオゾン濃度の増加を示す記録はほとんど存在しなかった。さらに、南極のオゾンホールは2015年10月に記録的な大きさに達しており、オゾン層の回復を示す兆候との矛盾が指摘されていた。今回、Susan Solomonと共同研究者らはオゾン濃度の観測値をモデル計算と共に利用し、2000年以降オゾン破壊物質の規制とその他の要素が極域のオゾン濃度にどのような影響を与えたのかについてその傾向をより詳しく調べた。これにより、南極のオゾン層の回復を示す複数の兆候が検出された。回復を示す兆候はとりわけ9月に顕著に現れており、これは定期的な季節変動によるオゾンのカラム量(気柱内濃度)の増加が観測された時期と一致している。研究者らはまた、火山の噴火といった自然要因がオゾン層の状態に与える影響も評価し、2005年頃からこのような火山の噴火はオゾン層の回復を遅らせ、近年のオゾン濃度の減少率の経年変動にも大きな影響を与えている、と語っている。

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