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中国の環境プログラム、合格点を獲得

American Association for the Advancement of Science

主要な環境保護・再生のプロジェクトによって、中国の生態系サービス(いわゆる「自然資本」のことで、「生態系の公益的機能」とも呼ばれる)が改善されていることが、中国で初となる国家レベルの生態系アセスメントによって明らかになった。中国では1970年代以降の急激な経済発展により、深刻な環境負荷が雪だるま式に膨らんでいった。その結果、1998年には極端な森林伐採に端を発して長江流域の土地の侵食と洪水が引き起こされ、数千人が犠牲となり、1,320万人が住む家を失い、その物的損害額は360億米ドルにのぼった。この惨事がきっかけとなり、政府が出資した生態系サービスのプログラムとしては世界最大規模となる天然林保護プログラム(NFCP:Natural Forest Conservation Program)および傾斜地保護プログラム(SLCP:Sloping Land Conservation Program)が立ち上げられた。

これらのプログラムによる影響の特定を目的とした初の中国生態系アセスメント(CEA)の結果を、Zhiyun Ouyangらが今回報告している。ただし、このCEAは大気質と水質、温室効果ガス排出量の増加、および原材料の輸入による国外での環境負荷の増大については考慮していないことについても、同報告で言及されている。このアセスメントには、衛星画像や生物物理学的観測結果(例えば土壌に関するデータ)、歴史的資料、並びに10万点以上の実地観測結果といった、様々なデータが利用されている。今回評価されたほとんど全ての生態系サービスが2000年から2010年の期間に総体的には増加したことが、データから明らかになった。増加率が最も大きかったのは食料生産機能で38.5%の増加、次いで炭素隔離機能が23.4%の増加であった。土壌形成機能、洪水緩和機能、砂嵐防止機能、および保水機能も増加したが、生息地提供機能はわずかに減少した。これらの増減には地域差があり、全国平均としては増加した特定の機能に関しても、低下している地域もあった。とりわけ、中国政府の重点事業となっている地域では最も顕著な改善が見られた。重点地域全体では、炭素隔離機能と土壌形成機能はそれぞれ83.4%と77.7%増加したが、重点地域は中国全土の37%を占めるにすぎない。著者らは、NFCPやSLCPといったプログラムが及ぼす影響をより正確に理解するため、今後どのようにアセスメントを改善するべきかについても同報告で言及している。

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