Public Release: 

スマートガスセンサ向けマイクロホットプレート

Toyohashi University of Technology

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IMAGE: 図1 スマートガスセンサー向けマイクロホットプレート view more

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ガスセンサはガス漏れ検知や空気質モニタリング等に用いられ,我々の生活に不可欠なものです.一方,近年ユビキタス社会実現へ向け,センシングに加え,信号処理や情報通信の機能を有する,いわゆるスマートガスセンサが注目を集め,盛んに開発が行われています.さらに,これをICチップ上に実現することで,スマートガスセンシングシステムの低コスト化や小型化が可能となります.

現在最も普及している半導体ガスセンサは,その材料を数100°Cに加熱する必要があります.そのため,これを電子回路と集積化するには,回路との熱分離のため,微小電子機械システム(MEMS)技術を用いたマイクロホットプレート(MHP)が必要となります.しかしながら,このMHPはその支持部が機械的に脆弱であり,強度を向上させると熱分離性能が低下してしまうというトレードオフが存在します.

そこで,豊橋技術科学大学電気・電子情報工学系の研究チームは,機械的強度と熱分離性能の両立をめざし,SU-8をMHP支持部の補強材料として用いることを提案しました.SU-8はMEMS構造体に広く用いられる高分子材料で,その特徴として,良好な機械的強度と低い熱伝導率が挙げられます.研究チームは提案のMHPを作製しその加熱性能を評価しました.

筆頭著者の岩田助教は「厚い高分子膜を用いることで,高い機械的強度と熱分離性能を両立できます.機械的強度に関しては今後評価する必要がありますが,これはスマートガスセンサに向けた有望なデバイスであると考えています.」と述べています.

「高い機械的強度を得ることはMHP作製の上での大きな課題の一つです.(一般に熱に弱い)高分子材料をこのようなMHPに用いることは一見非常識な発想ですが,思いのほかうまくいきました.このデバイスによって,我々の目指すマルチモーダルセンサ(複数のセンサを1チップ上に集積化した高機能センサ)の開発も大きく前進するはずです.」と澤田教授は述べています.

作製されたMHPは約140 μm四方の加熱領域を有し,支持部であるブリッジ上に膜厚33 μmのSU-8層が形成されています.シミュレーションにより,本構造は良好な熱分離性能を有することが確認され(図1),駆動電圧5 Vにおいて550°Cまで加熱可能であることが実証されました.また,消費電力は300°C加熱時に約13.9 mWと,これまでに報告されているMHPと同程度の低消費電力を達成し,少なくとも100分間の安定動作も示されました.

このMHPは,厚いSU-8を形成しており,作製時に材料内部に発生する力(残留応力)の精密な制御が不要となります.この特徴と良好な熱分離性能のおかげで,スマートガスセンサはより柔軟なレイアウト設計が可能となり,その小型化につながります.研究者らはこのようなスマートガスセンサ実現に向け,引き続き研究を進めていきます.

本研究成果は平成29年1月11日付で,Journal of Micromechanics and Microengineering のオンライン版に掲載されました.

ファンディングエージェンシー:日本学術振興会 科研費 若手研究(B),15K18049

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Reference:

T. Iwata, W. P. C. Soo, K. Matsuda, K. Takahashi, M. Ishida, and K. Sawada (2017), Design, fabrication, and characterization of bridge-type micro-hotplates with an SU-8 supporting layer for a smart gas sensing system, J. Micromechanics Microengineering, 27(2), 24003.

https://doi.org/10.1088/1361-6439/aa556b

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