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新たな凍結保存法に向けた温め方の工夫

American Association for the Advancement of Science

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IMAGE: Unlike convective warming, the new nanowarming method prevents tissue damage by evenly reheating cryogenically preserved tissues. This material relates to a paper that appeared in the 1 March 2017 issue of... view more

Credit: Manuchehrabadi et al., Science Translational Medicine (2017)

新たな研究により、移植医療における大きな障害を克服するものとして、低温処理されたサンプ ルをナノ技術を用いて、凍結した傷つきやすい組織に損傷を与えることなく速やかに再加温でき ることが示された。これにより将来、臓器を凍結保存することが現実に可能となるかもしれない。 移植のために提供された心臓および肺のうち、年間 60%以上が廃棄をやむなくされているが、 これはこれらの臓器の組織を氷上で 4 時間以上保存することができないためである。最近の推定 では、使用されなかった臓器の半数でも無事に移植されていれば、移植待機リストは 2 年以内に 不要になるという。長期保存法には、超低温で生物学的サンプルをガラス様の状態にするガラス 化保存などがあるが、これにより組織保存バンクを確立し、必要な時にマッチするドナーを見つ けるプロセスを促進することで、移植廃棄率を低下させられるはずである。残念ながら、サンプ ルを低温に保つ高度な凍結保存法はあるものの、組織は損傷を受けることが多く、解凍段階で裂 けてしまうことさえある。Navid Manuchehrabadi らは、凍結した組織を、その細胞の生存を損な うことなく急速に加温する独自の方法を開発した。著者らは、シリカでコーティングした酸化鉄 のナノ粒子を溶液中に混合し、サンプル全体に均一に加わる熱を外部磁場により生成させた。再 加温後、これらのサンプルでは氷上で緩徐に解凍させた対照サンプルとは異なり、損傷を示した 組織はなかった。その上、融解後のサンプルからナノ粒子をきれいに洗い流すことができた。著 者らはさらに、同じ実験を凍結させたヒトの皮膚細胞、ブタの心臓組織断片や 50 mL もあるブタ の動脈の大きな断片でも行った。この実験系を器官全体に適用するためのスケールアップにはさ らなる最適化が必要であるが、著者らによればこの技術は低温化だけでなく、癌細胞に致死的な 熱パルスを送達するなどに応用できる可能性があるという。

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