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毒ガエルが自らの毒に耐性を持つという「パラドックス」が説明された

American Association for the Advancement of Science

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IMAGE: 小さな悪魔のような存在であるドクガエルのシルヴァティクス・ヤドクガエル(Dendrobates (Oophaga) sylvaticus)は、コロンビア南西部およびアクアドル北西部一帯の湿度の高い亜熱帯の森林に生息する。このカエルはペット業界で幅広く取引されている一方、森林の伐採や地域の開発によりその行動圏は急速に崩壊しつつある。2014年エクアドルのサント・ドミンゴで撮影。 view more 

Credit: Rebecca Tarvin

研究者らは、新たな研究の結果により、ドクガエルが自らの毒素に対していかにして耐性を進化させたのかについて、さらなる知見を得ることになった。著者らによれば、この結果は製薬業界にとって興味深いものとなり得る重要な意味をもつという。亜熱帯に生息するドクガエルはエピバチジン(epibatidine)という神経毒(アセチルコリン受容体と呼ばれる細胞膜蛋白質に接着する)を産生して外部からの危害や捕食動物から身を守る。この防御機構には同時に、エピバチジンに対する耐性をもたらす器官が(自らが毒素にやられるリスクを避けるため)必要とされる。この直接の帰結として、これらのカエルではアセチルコリン(神経細胞が相互に情報伝達するために必要な重要な神経伝達物質)に対する感受性が低下しており、その代わりにアセチルコリン受容体の機能が損なわれている。この逆説的な現象を説明する機序を求めて、Rebecca Tarvinらはこのカエルのアセチルコリン受容体の電気特性について詳細な分析を行った。このカエルのアセチルコリン受容体をヒト細胞で発現させたところ、アセチルコリン受容体において単一アミノ酸置換が進化の過程で3回発生しており、これによってエピバチジンおよびアセチルコリンに対する感受性が低下していることが分かった。興味深いことに、この受容体の機能性は最終的に、ドクガエルの系統によって異なるさらなるアミノ酸置換により回復させられ、自らが産生する毒素に対する耐性を可能にする一方で、標的とするアセチルコリンの正常な機能が維持されることとなった。Tarvinらは、適応と蛋白質の進化が多くの進化圧のバランスを全体的に取っているはずであり、またこれらの適応の一部は少なくとも最初は代償を伴うと主張している。著者らはさらに、エピバチジンのような作動物質は、こうした化合物に対する耐性がかなり複雑な機構を必要とするため、特に効果的な毒素になると述べている。

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