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手持ち式の「ペン」は外科医の指先でのリアルタイム癌診断を可能にするかもしれない

American Association for the Advancement of Science

10秒以内に腫瘍と健康な組織を非破壊的に区別できる手持ち式のプローブが開発された。これによって迅速な癌診断が可能になり、外科医が手術中に悪性腫瘍のあらゆる痕跡を取り除くのに役立つと考えられる。手術後の残存癌は患者を再発のリスクにさらすが、ほとんどの病理検査室では、手術中に採取された検体中に腫瘍細胞が残っているかどうかの検査に数日を要する。Jialing Zhangらは、リアルタイムで組織を解析する効率的な方法を求めて、手持ち式のデバイス、MasSpec Penを開発した。このデバイスはごく少量の水(10μL、水1滴の約5分の1)を用いて組織から穏やかに分子を抽出し、柔軟なチューブを介して検体を質量分析器(検体に含まれる分子の質量を計算する機器)へと送る。Zhangらは、肺、卵巣、甲状腺、乳房の腫瘍ならびに健康な組織から採取した患者の検体253個を解析し、感度96.4%、特異度96.2%、精度96.3%で癌を識別できる「分子プロファイル」を作成した。引き続いてZhangらは、MasSpec Penが、生きているマウスで高い信頼性で腫瘍を識別でき、重要なことに、健康な組織に損傷を与えないことを示した。有害な溶媒、加圧ガス、高電圧を必要とする既存の質量分析ツールとは異なり、MasSpec Penは水だけを使って解析用の分子を収集する。また、MasSpec Penの先端はPDMSと呼ばれる安全で生体適合性の素材を用いて3Dプリンターで作られている。Zhangらは、さらに多数のサンプルセットを検討すれば、MasSpec Penの精度を上げることができ、様々なタイプの組織から幅広い腫瘍を診断できるようになるだろうと述べている。

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