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霊長類の脳を比較することで何が我々を人間たらしめているかのヒントが得られた

American Association for the Advancement of Science

ヒトの脳とその他の霊長類の脳とを詳細に比較分析した結果、ヒトの脳を比類なきものにしている神経伝達物質ドーパミンに関して、重要な進化的変化が明らかになった。霊長類の脳の違いを突き止めるため、André M. M. Sousaらはヒト6人、チンパンジー5匹、マカク5匹から、海馬、扁桃体、線条体、視床の背内側核、小脳皮質、新皮質の11部位の組織検体を247個採取し、転写プロファイルを作成した。その結果、合計で11.9%のmRNAと13.6%のmiRNAが、脳の少なくとも1領域において、ヒトで特異的に上方制御または下方制御を示すことがわかった。ただし、ヒトで特異的に制御された3,154個のタンパク質コード遺伝子のうち、今回の研究で分析したすべての脳領域において上方制御されたのはわずか22個、下方制御されたのは9個だった。特に注目すべきことに、ヒトの脳は、ドーパミン生合成に関わる酵素であるチロシン水酸化酵素(TH)とドーパ(3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン)脱炭酸酵素(DDC)をコード化する2つの遺伝子に、顕著な上方制御を起こすことが判明した。ドーパミンは、作業記憶や推理、思慮深い探索行動、知能全般といった認知と行動の面において、役割を果たしていることが知られている。このようにドーパミン関連の遺伝子が上方制御されることを受けて、研究者らは霊長類9種の成体の脳45個でTH+介在ニューロンの量を計り、比較した。著者らは、実際にヒトは今回の研究で分析したヒト以外の霊長類と比べて、背側尾状核と被殻(線条体)の両方において、TH+介在ニューロンの数が多いことを確認した。著者らはこれらの脳領域でTH+ニューロンの数に差がある理由として、神経細胞の移動および(または)分化に関係していることなどが考えられると述べている。

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