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腸内微生物は免疫療法に対するがん患者の反応にどのような影響を及ぼすのか

American Association for the Advancement of Science

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IMAGE: The group performed fecal microbiome transplant (FMT) studies from responding patients on PD-1 blockade (R) or from non-responding patients (NR). In these studies, mice receiving FMT from R had enhanced... view more 

Credit: Dr. Luigi Nezi

2つの新しい研究によって、腸内細菌の組成が、免疫療法に対するがん患者の反応にどのような影響を及ぼしうるかが示された。Bertrand Routyらによる1つ目の研究では、PD-1阻害剤による治療(免疫系を活性化して腫瘍を攻撃する治療法の一種)を受けている肺がんや腎臓がんの患者の治療結果に、抗生物質がどのような影響を及ぼすかを探った。抗生物質を(歯性感染や尿路感染などを治療するために)服用していた患者は、抗生物質を服用していなかった患者と比べて生存率が低かった。患者の腸内微生物を分析した結果、アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)という細菌が豊富に存在すれば最良の臨床結果が得られることが判明した。この細菌は、部分奏効または疾患安定を示す患者のそれぞれ69%および58%で検出できたが、治療に反応しない患者では34%しか検出できなかった。抗生物質で治療したマウスの場合、この細菌を経口補充すると、マウスの免疫細胞の効果が増強され治療に対する反応が高まった、と著者らは報告している。

Vancheswaran Gopalakrishnanらによる2つ目の研究では、同じPD-1阻害剤によく反応する黒色腫の患者ほど、腸内微生物の多様性が大きいうえに特定の細菌が豊富に存在する、と報告されている。彼らは、PD-1阻害剤を服用している進行性黒色腫の患者112人から、マイクロバイオーム(微生物相)試料を採取して分析した。フィーカリバクテリウム属(Faecalibacterium)とクロストリジウム目(Clostridiales)の細菌が豊富なマイクロバイオームをもつ患者は、治療に反応する可能性が高く無増悪生存期間が長かったが、バクテロイデス属(Bacteroidales)の細菌が豊富なマイクロバイオームをもつ患者ではその逆の結果が得られた。患者の免疫反応を分析した結果、有益な微生物をもつ患者ほど免疫細胞を多くもつ傾向があり、このため腫瘍に浸潤して死滅させる可能性が高いと考えられることが判明した。微生物を患者から無菌マウスに移植し、PD-1阻害剤に対する反応を観察したところ、ヒトで観察されたのと同様の結果が得られた、と著者らは報告している。

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