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アジア全域における古代人の移住を示す新たな遺伝学的「地図」

American Association for the Advancement of Science

ヨーロッパから東アジアという広大な地域一帯から抽出した数十人の古代人のゲノムを分析することで、過去のヒトの移住パターン、およびインド・ヨーロッパ言語と馬の家畜化の拡大を解明するための手掛かりが得られた。馬の家畜化文化でこれまでに判明している最古のものは、西暦紀元前約5150~3950年にユーラシア大陸の大草原地帯で生活していた人々、ボタイの文化である。その地域の狩猟採集民であったボタイ人が、家畜を飼いながら東に向かって旅をしていた西方の人々から馬の飼い方を学んだと一部で言われている。しかし、馬の家畜化はボタイ文化の中で局部的に起こったという意見もある。Peter de Barros Damgaardらは、この議論をさらに詳しく調査するとともに古代人の移住パターンについても新たなヒントを得るべく、約11,000~500年前に東ヨーロッパ、中央アジア、西アジアに住んでいた74人の古代人のゲノムを分析した。また、現代のアジア人の遺伝子情報も合わせて調査した。その結果、東ヨーロッパの狩猟採集民やボダイ人と密接な関係のある人々の間に遺伝子混合はほぼ認められなかった。このことから、人々は中央アジアの大草原地帯を通過して東へと移動したが、定住したのはさらに東の地域に到達してからであったと考えられ、つまりこれは西方の人々がボダイ人に馬を飼うことを教えたとは考えにくいことを意味するとDamgaardらは述べている。

もう一つ大きな議論を呼んでいるのは、遺伝子シグネチャーと言語(特にインド・ヨーロッパ言語)がいつどのように西方の地域から南アジアに伝わったかということである。Damgaardらは自分らのデータを基に、遺伝子混合の波が2回起きたと述べている。1回目はかなり早い時期、可能性としては青銅器時代以前に起こり、これにはインド・ヨーロッパ言語を話す人々は関係していないと考えられる。2回目は後期青銅器時代(西暦紀元前約2300~1200年)に起こり、それと共にインド・イラン語が南アジアに伝わったとDamgaardらは述べている。

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Note: This paper will be available for free when the embargo lifts at http://www.sciencemag.org.

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