Public Release: 

ヒトの食道には癌に関連した変異がよくみられる

American Association for the Advancement of Science

ヒトドナー、特に中年以降の人の正常な食道組織には、癌に関連した遺伝子変異が驚くほどよくみられることが、新しい研究で明らかになった。この結果は、癌と加齢に関するわれわれの理解を深めさせるが、同時に、正常組織内の体細胞変異の存在率と発展がほとんどわかっていないことを強調している。ヒトが年をとると、健康な細胞の変異が蓄積される。通常はこれらの変異は受動的に蓄積され、細胞の挙動を変化させることはない。しかし、遺伝子変異によって変異細胞が競争力を持つようになると、これらの細胞はその変異のない細胞よりも危険な細胞を作り出す。 拡大した変異細胞集団(すなわち「クローン」)は、癌の起源であると考えられている。太陽の紫外線に曝露されたヒトの皮膚は、もっとも変異の多い正常組織である。中年の人の太陽に曝露された皮膚の約25%の細胞には癌のドライバー変異がある。紫外線などの強力な変異誘発物質に曝露されていない細胞が体細胞変異を蓄積する程度はほとんどわかっていない。Iñigo Martincorenaらは、日光から保護した組織の変異量を検討するため、20~75歳のヒトドナー9例の正常な食道上皮(皮膚と同様な構造と特性を有する組織)の標的遺伝子シーケンシングを行った。Martincorenaらによれば、食道組織は皮膚よりも変異率は低かったが、14個の癌関連遺伝子に変異がある細胞クローンに対する強力なポジティブ選択がみられた。中年以降のドナーの組織検体では、食道上皮組織の半数以上に変異クローンが含まれていた。もっとも顕著であったのは、高齢ドナーの食道上皮における癌ドライバー遺伝子NOTCH1の高い変異頻度であった。これらの変異は食道癌細胞よりも正常細胞に多かったため、Martincorenaらは食道癌がNOTCH1変異のない上皮細胞から生じるのではないかと考えている。

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