Public Release: 

食生活に関係する咬合の変化で新しい言語音が広まった

American Association for the Advancement of Science

人間の言語音の種類は人類史を通して変化していないという説に反論して、新しい研究で、現代の多数の言語に共通する「f」や「v」といった音は、食生活に起因する咬合の変化によって比較的最近になって発達したものであることが報告された。その研究によると、こういった変化の結果、世界中で新しい言語音が登場したという。研究者らは、自分たちの研究によって言語音の発達に対する生物学的状態の影響がどれほど過小評価されていたかが明らかになったと述べている。人間の言語音は「m」や「a」といったありふれた音からアフリカ南部の一部の言語にしかない子音の舌打ち音まで、驚くほど多様である。しかしこのように多様な言語音は一般的に、約30万年前にホモ・サピエンスの誕生と共に確立され、それ以降はヒトの生物学的状態のいかなる変化の影響も受けていないと考えられている。言語学者であるCharles Hockettが1985年に出した「f」や「v」といった音が発展した言語は柔らかい物を食べている社会に多く見られるという観察結果にヒントを得て、Damian Blasiらは、食生活が変わるにつれて、特に狩猟採集生活をしなくなるにつれて、咬合が変化し、それが言語音の形成にどう作用したかについて、詳細な学際的調査に着手した。Blasiらは、様々な口腔顔面構造についての詳しい生物力学シミュレーションなどを行うことで、上の歯が下の歯より少し前に出ている成人の歯の構造の変化 ―― 産業製粉といった食品加工技術の進歩に関連した変化 ―― によって新しい言語音が誕生したことを示した。この新種の言語音は現在、世界の言語の半数に見られ、唇歯音と認識されている。たとえば「f」と発音するときなどに下唇と上の歯を接触させて出す音のことである。Blasiらによると、唇歯音の使用は農業の発展を受けてこの数千年で激増したという。自分たちの研究結果は、言語は文化に起因する人間の生物学的状態の変化によって形成されるもので、それはこれまで認識不足であったことを示しているとBlasiらは述べている。

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