Public Release: 

かつて友好的であった細菌はどのようにしてウィスコンシンの院内感染株となったのか

American Association for the Advancement of Science

病院での大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis:薬剤耐性細菌感染症の主因)大流行の遺伝学的研究により、この生物がどのようにして新しい抗菌薬に耐性となったのか、そしてヒト血流に感染するよう適応したのかが明らかになった。この研究は、この通常は無害な細菌株がどのようにして抗菌薬の使用などの環境圧に対応して進化し、危険な薬物耐性株となりうるのかを明らかにしている。大便連鎖球菌は、ヒト腸内マイクロバイオームに豊富に含まれる細菌のひとつである。これらの細菌は通常は良性であるが、病院の患者に感染し抗菌薬と消毒法に耐性を示す一部の株が出現している。しかし、大便連鎖球菌を腸内環境に生息する株からヒト血流に感染する株に変化させた遺伝的適応は不明なままである。今回、Daria Van Tyneらが、1984~1988年にウィスコンシンの病院で血流感染の大流行の原因となった大便連鎖球菌株のゲノムの変化を検討した。Van Tyneらは患者の血液検体から分離した大流行株62株と大流行に関係のない27株を比較し、大流行株が、宿主免疫系および抗菌薬の使用に抵抗しやすくなる少数の遺伝子の複数の変異を獲得していたことを明らかにした。また、研究室で育てた大便連鎖球菌にこれらの変異を導入することで、ヒト血流およびマウスモデルでこの細菌を抗菌薬と自然免疫に抵抗しやすくすることができたことを確認した。興味深いことに、Van Tyneらは1987年のカルバペネム系抗菌薬導入に対応した変異パターンのシフトも観察した。同定された遺伝子バリアントから、院内環境での薬剤耐性大便連鎖球菌の伝染に関する今後の研究のための情報が得られるとVan Tyneらは述べている。

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