News Release 

自閉症スペクトラム障害の成人および小児を対象とした2つの臨床試験において ホルモン経路の調節により社会機能の改善が示された

American Association for the Advancement of Science

自閉症スペクトラム障害(ASD)の成人223例および小児30例を対象とした2件の臨床試験の結果から、バソプレシンというホルモンの生物学的経路を調節することで、安全に社会機能が改善されることが示された。これらの結果は、バソプレシンを標的とする薬物が、ASD患者の様々なサブ集団において社会機能障害や行動障害の改善に役立つ可能性があることを示唆している。ASDを適応とするいくつかの承認薬があるものの、これらは有害な副作用を伴い、社会的コミュニケーションに関する問題や反復行動といった中核症状に対処できない。しかし、マウスを使って、哺乳類において社会行動を調節するペプチドであるバソプレシンが新規治療薬の有望な標的となり得ることを示す研究が蓄積されている。第一の研究では、Federico Bolognaniらは中等度~重度のASD男性成人患者223例を対象に、バソプレシン受容体を阻害する治療薬候補として経口薬バロバプタン(balovaptan)の有効性を評価する無作為化プラセボ対照第2相試験を実施した。患者は4群に分けられ、バロバプタンの3種類の用量またはプラセボのいずれかが12週間にわたり1日1回投与された。その結果、ASD患者の社会機能障害を評価する対人応答性尺度(SRS)に基づく試験の主要エンドポイントには改善が認められなかった。しかしBolognaniらは、高用量を投与された2群(計116例)において、社会化、適応行動および日常生活技術を評価する第二の尺度において、プラセボ群(75例)と比べて改善が示され、この研究の副次的エンドポイントが達成されたことを認めた。重要なこととして、バロバプタンは忍容性が高い上に安全性の懸念がなく、これまでの試験でほとんど利益が認められなかった患者集団においてASD治療に役立つ可能性を示唆している。

第二の研究でKaren Parkerらは別のアプローチを用い、ASDの小児患者にバソプレシンを投与して社会機能障害を軽減できるかどうかを調べた。6~12歳の患児30例(男児25例、女児5例)に対して、高用量のバソプレシンまたはプラセボを4週間にわたり経鼻投与した。著者らは患者の親らの報告に基づき、実薬群の患児17例ではプラセボ群の13例と比べて、SRSにより評価した社会行動(この研究の主要エンドポイント)の改善が示されたことを見出した。さらに、実薬群の患児では医師らの評価による社会的コミュニケーションの改善も認められた。これらの患児は、検査において他者の感情的・精神的状態の解釈や、表情の認識の能力も高かった。バソプレシン投与は、不安などの他の症状も軽減させ、被験児における忍容性も高かった。

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