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脂肪細胞の裏切り者が多発性骨髄腫における骨障害性病変を誘発する

American Association for the Advancement of Science

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IMAGE: MRI showed the presence of bone lesions in the spine and skull of a patient with myeloma in remission. This material relates to a paper that appeared in the May... view more 

Credit: H. Liu et al., ScienceTranslational Medicine (2019)

多発性骨髄腫(MM)患者から得たサンプルの研究から、疾患が寛解に達した後にも「リプログラミングされた」脂肪細胞が長期にわたる骨障害にどのように関与するかが示された。ある分子複合体を標的とすることで、マウスにおいて障害を受けた骨病変の重症度が軽減したことから、MMに伴うこの発生率の高い消耗性合併症を治療する上で可能な戦略が示唆された。この悪性疾患は、腫瘍性の形質細胞が骨髄中に蓄積し、他の血液細胞の産生に有害な影響を及ぼすときに発症する。MM患者の80%以上では骨に溶骨性病変も発生し、これが重度の疼痛や骨折の原因となり得る。基礎疾患となるがんの治療に成功しても、こうした病変は治癒することがなく、骨回復における長期の障害やQOLの低下などを引き起こす。溶骨性病変が治癒しない理由を解明するため、Huan Liuらは活動期MM患者、寛解期にある患者、および健康対照者の骨髄サンプルを検討した。その結果、溶骨性病変の近傍にある部位には、大量の骨髄脂肪細胞(脂肪細胞)が含まれていることが観察された。骨髄腫細胞と一緒に培養された脂肪細胞はリプログラミングされた状態に転換し、骨形成を抑制し骨分解を促進する酵素を放出するようになった。さらなる分析の結果、骨髄細胞はPRC2とよばれる分子複合体を活性化することで脂肪細胞の転換を促し、これらの脂肪細胞がPPARγと呼ばれる受容体の活性を抑制した。寛解期MMのマウスモデルの脂肪細胞においてEZH2と呼ばれるPRC2の成分の活性を阻害したところ、脂肪細胞のリプログラミングが阻止され、骨病変の重症度が低下したことから、PPARγ活性を回復させることでMM患者の骨病変の治癒が促進される可能性が示唆される。

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