News Release 

マウスの脳を刺激して実際の知覚同様の経験を引き起こす

American Association for the Advancement of Science

研究者らは、改良された新規の光遺伝学技術を用いて、生きたマウスの脳内で、自然な感覚入力がなくとも視覚的経験を制御し、さらには生み出すことさえできることを、新たな研究で報告している。今回の結果は、生きている哺乳類にとって外界の知覚がいかに生じ、示されるのかについての理解を広げるとともに、幻覚や妄想といった神経心理症状に悩まされている患者に対する神経治療薬の開発に有用となる可能性がある。周囲環境の知覚経験は、哺乳類の大脳新皮質において感覚が引き起こすニューロン活動パターンによって生じると考えられる。しかし、こうしたニューロン活動と、それが知覚や行動に及ぼす影響についてはいまだに不明である。光遺伝学を用いることで、学習能力や、おそらくは知覚や行動を研究でき、おそらくはそれらに影響を及ぼすことができることについて科学的な関心が高まっている一方で、このような目標に向けた進歩が技術的な限界のために妨げられてきた、と著者らは述べている。このような困難を克服するため、James Marshelらは新たな光遺伝学技術を開発して、マウスの大脳新皮質に存在する何百ものニューロンについて個々の細胞を観察し、それらを制御することを可能にした。600を超える微生物のゲノムを対象としたゲノムマイニングにより、Marshelらは前例のない光遺伝学的性質をもつ新規のチャネルロドプシン(ChRmine)を同定した。これを、改良したホログラフィック光刺激技術と組み合わせることで、生きたマウスの視覚皮質内の活動を詳細に探索できただけでなく、そうした活動を引き起こすことさえできた。この結果によれば、視覚刺激の自然な知覚により以前に活性化された特定のニューロン集団に対して光遺伝学的刺激を与えたところ、当初のニューロン活動が再現され、このことからマウスにおけるいて知覚を引き起こし、その行動を制御できることが示唆される。さらに、この新規の光遺伝学技術は、大きな体積の大脳皮質にわたってニューロン活動を調べることができるため、大脳皮質層間のニューロン活動のダイナミクスと、哺乳類の行動の背景にある神経生物学に対する新たな洞察を提供した。

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