News Release 

紅海のサンゴ礁では産卵同調性の崩壊によってサンゴの存続がひそかに脅かされている

American Association for the Advancement of Science

新しい研究によると、一部のサンゴの繁殖成功を支えている環境条件が変化したことにより、同調性の高い一斉産卵の戦略が崩壊している可能性があり、その結果、高齢のサンゴが死滅するおそれもあるという。この研究結果から、これまで気づかれていなかった静かな脅威が、世界中のサンゴ群集に迫っていることが明らかになった。海水温と月の条件がちょうど揃うと、年に1度の一斉産卵が起こり、サンゴ礁のコロニー全体から何百万個もの小さな卵と精子が海中に放出される。強風に散るサクラの花びらのように、突然一斉に色鮮やかな配偶子が大量に漂い出し、その様子は宇宙から見えるときもある。配偶子はわずか数時間で力を失うため、同調性の高い放出は確実に受精を成功させるために欠かせない。これまでの研究によって、サンゴ生殖の同調性はさまざまな環境要因に依存しており、それらの要因が一斉に働くことによってサンゴ群集産卵の正確な時期が決定されると示唆されていた。サンゴ生殖は安定した恒常的なものだと昔から考えられており、また、サンゴ礁における人間の影響や環境外乱に関しては、白化現象のように観測可能な被害が注目されてきた。しかし、気候変動に伴う急激な変化が世界中のサンゴ大量死に大きく関係しているとすれば、サンゴ生殖にとって重要なタイミングと成功率にも影響を与えているのではないかと考えられていた。ShlesingerとYossi Loyaが、紅海で最も数の多い数種のサンゴについて年に1度の産卵を観察したところ、いくつかの種は産卵のタイミングがずれていることが見出された。著者らによると、一部の種は生殖の同調性が完全に崩れており、年によって違う月に産卵することや、さらには毎月数日間産卵することがあり、配偶子が受精する可能性が大幅に減少しているという。他のサンゴ礁群の研究結果を見ると、生殖の非同調性は世界の他の場所でもおそらく起こっているようだ、とShlesingerとLoyaは述べている。関連するPerspectiveではNichole FogartyとKristin Marhaverが、「(著者らは)世界中のサンゴ個体群はまだ健全に見えるかもしれないが、こうしてひそかに生殖活動で苦労している、と警告している」と述べている。

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