News Release 

シナプス機能には昼夜を問わず全般的に睡眠要求との密接な関係がみられる

American Association for the Advancement of Science

自然な睡眠の必要性と脳のシナプス機能とは密接に関係していることが、マウスを用いた2つの研究により示されている。両研究によれば、睡眠剥奪によって脳内のシナプス活動(可塑性など)に必要となる主要な蛋白質が枯渇する可能性が示唆される。睡眠はヒトの脳にとって不可欠のものであり、この重要なプロセスを剥奪すると重大な認知障害をもたらす可能性があり、これは十分な睡眠によってしか回復できない。ヒトにおける睡眠の機能は概日リズムと脳における睡眠要求すなわち睡眠圧(sleep pressure)によって調節されており、この睡眠圧は起きている時間が長いほど強くなる。しかし、睡眠によっていかにして脳の機能が回復されるのか、あるいは睡眠要求をどのようにして定量するかについてはほとんど分かっていない。2つの研究において、Sara NoyaらおよびFranziska Brüningらはマウスの前脳(脳内最大の部位で大脳皮質を含む)を対象に、シナプスのトランスクリプトームおよびプロテオームのリン酸化にみられる概日変化に関する包括的な結果を報告した。「NoyaらとBrüningらによる今回の新しい所見によれば、これまでのエビデンスと合わせると、シナプス機能が、覚醒している時間と睡眠している時間を反映していることはほとんど疑いない」と、Chiara CirelliとGiulio Tononiは記している。

Noyaらは、シナプスのメッセンジャーRNA(mRNA)および蛋白質の量にみられる24時間にわたる概日リズムを、正常マウスと断眠マウスの両方について評価した。その結果、シナプスmRNAの約70%には、多くの蛋白質およびリン蛋白質と同様に、概日変動が認められることが示された。代謝および翻訳に関連する蛋白質は、明け方近く(夜型マウスが眠りに入る時間)にピークに達し、シナプスシグナル伝達に関連する蛋白質は夕暮れに目覚める前にピークに達する。しかし断眠マウスでは、このパターンは驚くほど異なっていることが分かった。mRNAの発現サイクルはほとんど変わらなかったのに対して、ほとんど全ての蛋白質(シナプス機能の大部分にとって不可欠な)が喪失し、これにより概日時計以外の原因があることが示唆された。

この研究を受けてBrüningらはマウスを用い、睡眠 ―― 覚醒サイクル、睡眠圧、およびシナプスにおけるリン酸化プロテオミクスの間の関係をより詳細に調べた。著者らは、睡眠剥奪により約1,000のリン酸化蛋白質において概日リズムが突然停止することを見出した。これらの蛋白質には、可塑性などのシナプス機能や正常な細胞機能にとって不可欠となる多くのキナーゼが含まれた。これらを合わせると、Noyaらによる研究とBrüningらによる研究の結果から、睡眠圧と覚醒圧が、概日メカニズムとは独立して、シナプス機能の維持にとって不可欠なシナプス蛋白質のリン酸化において中心的な役割を果たすことが実証された。これらの結果は、精神機能障害がいかにして睡眠剥奪に関連するかについての情報も提供してくれる。

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