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古代DNAにより青銅器時代ヨーロッパの世帯内社会的不平等が判明

American Association for the Advancement of Science

新しい研究によって古代の世帯内の不平等について実態が明かされ、レヒ渓谷近郊の先史時代ドイツの世帯が地位の高い中核家族と血縁者以外の地位の低い個人で構成されていたことが報告された。この種の社会構造は、研究対象になった時期に存在していたと考えられてきた構造とは異なり、血縁関係のある家族が奴隷と世帯を共にしていた古典ギリシャおよびローマの後期に見られた構造と似ている。この研究結果により、世帯内の不平等がこれまで考えられていた以上に歴史が古いことが示された。考古学者らが発掘した遺物は古代の人々の生活について有益な手掛かりを提供はしても、人類文化の一時的な面についての情報を提供する能力には限界がある。ゆえに、家族構成や不平等といった先史時代社会の多数の非物質的様相の全貌を明らかにするのは極めて困難である。しかし古代DNAはこれらの難しい考古学的質問に取り組む新しい方法を提供してくれる。中央ヨーロッパでは、考古遺伝学研究を使って大陸規模でまた長い歴史を通してパターンを明らかにするのが大半であった。Alissa Mittnikらは個人の生活を地域規模で詳しく解明すべく、古代DNAを用いて新石器時代後期(紀元前2750年)から中石器時代(紀元前1300年)に現在のドイツ南部レヒ川渓谷にある小さな農場に暮らしていた人々の親族関係と社会組織を調査した。従来の考古学データと同位体データも合わせ、Mittnikらは農場に関係のある墓地から回収した104人の全ゲノムデータの解析を行い、これまで認識されていなかった先史時代の複雑な家族構成と親族関係を基本とした社会的階級を突き止めた。ほぼ全ての世帯で、女性は男性と親族関係を持たず、家を出て遠く離れた土地で結婚していた。データによると、プレアルプスの低地を超えてレヒ渓谷にやって来た他地域出身の女性が複数いた。武器のような副葬品の調査では富と地位が親から子孫に引き継がれることも判明し、これは、これらの人々が生きていた時代には社会的地位は獲得するものではなく継承するものであったことを示しているとMittnikらは述べている。

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