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古いメタン源は現代の気候温暖化にそれほど影響しない

American Association for the Advancement of Science

新しい研究によると、融解する永久凍土や北極氷床の下から、古代に貯蔵されたメタンが大気中に放出されても、将来の気候温暖化に及ぼす影響はこれまで考えられていたほど大きくなく、むしろ、現行の活動で排出される温室効果ガスのほうが、近い将来に及ぼす影響は大きいという。メタン(CH4)は、地球温暖化の原因となりうる強力な温室効果ガスであり、二酸化炭素の何倍も強力である。現在、CH4排出量全体に占める自然放出の割合は40%程度である。しかし、古い低温のCH4が、永久凍土のように気候に敏感な蓄積域の中や、氷床の下の水和物として、大量に閉じ込められている。地球温暖化が続いていることから、数千年前に貯蔵されたこうしたCH4が大気中に放出され、将来急激な温暖化を引き起こす可能性がある。しかし、こうしたメタン源の気候に対する感度や全体的な影響はまだ解明されていないため、気候変動の予測はさらに不確実になる。Michael Dionyisiusらは、最終退氷期(現代とほぼ同じように大気が温暖化した期間)に、こうした古い炭素源が気候に及ぼした影響を調査した。南極の氷床コア内に閉じこめられた小さな気泡を用いて、Dionyisiusらは最終氷期末期の大気における、古い、つまり「放射性炭素が枯渇した」CH4を測定した。著者らは、古い炭素貯蔵域から排出されたCH4は少なく、この期間における大気中CH4の大部分は、新しい有機物の分解や燃焼といった当時の発生源に由来することを見出した。この結果から、将来温暖化に反応して排出される古いCH4は、これまで考えられていたほど多くない可能性が示唆される。興味深いことに、著者らは産業革命前の完新世に排出されたバイオマス燃焼由来のCH4が、今日の排出量に匹敵することを見出した。この研究成果は、現代のCH4排出量が低く見積もられていることや、まだ知られていない双方向の人為的影響が現代の燃焼活動に及んでいることを示唆している。関連するPerspectiveでは、Joshua Deanがこの研究成果について詳しく論じている。

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