News Release 

液体・液体相転移を解明する流体力学の理論モデルを確立

Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

液体状態は、気体・固体状態と並ぶ物質の三態の1つであるが、その物理的な理解は両者に比べ大きく遅れているのが現状である。近年、実験・シミュレーションにより、水をはじめとしたいくつかの物質においては、純粋な物質の液体相は1つしか存在しないという従来の常識に反し、単成分液体に2つ以上の液体相が存在する可能性が示された。異なる液体相の間で起こる転移現象は「液体・液体相転移」と呼ばれる。液体の最も大きな特徴は、その流動性であるが、液体・液体相転移の従来の理論的取り扱いには、流れの自由度は考慮されてこなかったため、その物理メカニズムの理論的解明、特に液体の流動性がこの転移現象にどのような影響を及ぼすのかについては、これまで明らかにされてこなかった。  

東京大学 生産技術研究所の田中 肇 教授、高江 恭平 助教の研究グループは、液体・液体相転移を特徴づける局所的な構造と液体の流動性との関係を、新たに考慮した理論モデルを提唱し、理論解析およびシミュレーションにより、局所的な構造のゆらぎとその流動が相転移ダイナミクスにおいて果たす役割を解明することに成功した。液体の相転移における流動の働きを明らかにするのみならず、外部から流動により相転移挙動を制御する理論的な指針を与えられる点で、実用上のインパクトも大きいと期待される。

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本成果は2020年2月10日(米国時間)の週にProceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America誌(PNAS、米国科学アカデミー紀要)で公開される。

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