News Release 

火星の中身を解き明かす 「赤い惑星」の化学組成と内部構造のモデル化に成功

Tohoku University

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IMAGE: Interior structure of Mars view more 

Credit: 2020 Takashi Yoshizaki

地球のような岩石惑星は、どのように形成し進化してきたのでしょうか?

そして、地球のように生命を宿す惑星が誕生するには、どのような条件が必要なのでしょうか?これらの謎を解明するためには、地球型惑星同士の特徴を比較する必要があります。地球の化学組成や内部構造は、岩石の化学組成や地震波の観測などによって詳細に制約されています。一方で、地球以外の惑星からこれらの情報を得ることは難しいため、その内部の特徴の大部分は謎に包まれています。

火星は、複数の火星ミッションや火星由来の隕石によって、地球の次に詳しい情報が得られている天体です。しかし、観測・分析データが限られているため、火星の化学組成や内部構造には不明な点が多く残されていました。東北大学大学院理学研究科地学専攻の吉崎昂と、William F.McDonough 教授は、火星隕石や探査機のデータに基づき、火星の化学組成と内部構造のモデル化に成功しました。化学組成モデリングには、地球の化学組成のモデル化に用いられた手法を応用し、得られた化学組成モデルに基づき火星内部の密度分布を求め、物理探査データとの比較によって内部構造、特に金属核の大きさを示しました。このモデルによって、火星が地球に比べカリウムや硫黄などの揮発性元素に富むことや、いずれの惑星も太陽系平均組成に比べて揮発性元素に乏しいことが明らかになりました。また、地球の金属核が地球質量の 1/3 を占めるのに対し、火星の金属核は火星質量の 1/6 程度に過ぎないことも示されました。火星の金属核が地球に比べ小さいことは、火星が比較的酸化条件下にあることを示します。

現在、NASA の InSight ミッションは、火星の内部構造の直接観測を目指し、火震(火星の地震)の観測に取り組んでいます。InSight ミッションによって火星の核―マントルの境界が観測されれば、本研究のモデルの検証を行うことができ、火星の化学組成の更なる制約につながると期待されます。また、今後同様に水星や金星の化学組成や内部構造のモデルを構築することで、地球型惑星の形成進化過程への理解が深まることが期待されます。

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