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過去数百万年における退氷期の新たな記録から、自転軸傾斜によるペース調整の継続的役割が示された

American Association for the Advancement of Science

新しい研究によると、中期更新世気候遷移期の最中と後に、過去数百万年にわたり、地球軌道の小さな変動によって地球規模で氷期の開始と終結が続いてきたという。この研究では、過去11回の退氷期について高精度の記録を示している。年代推定が不確かな既存の環境記録の使用に加えて、新たに正確な年代測定を行うことによって、地球の氷期・間氷期サイクルのペース調整における自転軸傾斜と日射量の継続的影響が明らかになった。第四紀(地球の歴史の中で250万年余り前から現在に至る紀)は、一般に氷期と間氷期を繰り返す特徴があるとされ、北半球の大部分では、大陸ほどの大きさの氷床が凍った海水のように拡大・縮小と浸食を繰り返している。中期更新世気候遷移期(MPT、125万年前~70万年前)より以前は、第四紀の地球における氷河サイクルは約4万年(40ka)ごとに繰り返していた。しかしMPTの間、第四紀の氷期パターンは基本的に約10万年(100ka)間隔で移動と拡大を繰り返した。MPT以前の4万年(40ka)のサイクルは、地球軌道の傾き(つまり自転軸傾斜)の周期的変動によって引き起こされたと広く認められているが、軌道強制力理論ではMPT以降の長い氷期・間氷期を十分に説明できない。地球の氷河時代サイクルの軌道理論を評価する際の主な課題は、年代特定によく使用される深海堆積物記録の年代がもともと不確かなことである。しかし、正確に年代推定された洞窟二次生成物の記録を用いて、約64万年前(640ka)までの海洋堆積物に記録された氷期終了の年代を決定した最近の研究によると、むしろMPT以降の間隔は軌道変化によって引き起こされる短いサイクルであることが示唆されている。Petra Bajoらは、ウラン・鉛年代測定法を行ったイタリアの洞窟二次生成物を用いて、新たに高精度で海洋堆積物記録の年代を制約し、それを過去数百万年間に起こった11回の氷河拡大・退氷イベントにまで拡張した。著者らは、MPT以降の最初の2回の退氷イベントが2回の自転軸傾斜サイクルに分けられることを示し、MPTの最中も後も、第四紀を通して、地球の自転軸傾斜は依然として氷期・間氷期サイクルの主な原動力であると結論付けた。

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