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「細胞なし」療法によって細胞移植のリスクなく心臓組織を再生できるかもしれない

American Association for the Advancement of Science

Research News

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IMAGE: An exosome derived from heart cells grown from human induced pluripotent stem cells. This material relates to a paper that appeared in the Sep. 16, 2020, issue of <i>Science Translational... view more 

Credit: [Credit: L. Gao et al., Science Translational Medicine (2020)]

Ling Gaoらが、エキソソーム(細胞が分泌する、膜に囲まれた小さな嚢)を利用して、細胞全体の移植に伴うリスクを避けつつ、心細胞移植の心臓再生効果を模擬する戦略を開発した。ブタで心臓発作からの回復を促進したこの方法は、全細胞型心臓療法(whole-cell heart therapies)の臨床利用を妨げていた問題に、安全かつ有効に対処できると考えられる。近年、研究者は、iPS細胞から増殖させた心細胞の移植を利用して心臓発作などのイベント後の心組織を治療することを探索してきた。しかし、移植した心細胞はレシピエントに生着できず数日後に死滅することが多かった。また臨床医は、生着できた細胞が不整脈などの重度の健康問題を引き起こし、長期的には腫瘍形成にも寄与する可能性を依然として懸念している。Gaoらは細胞全体を移植する代わりに、エキソソーム(細胞が分泌する、タンパク質とDNAの小さな入れ物)を投与するだけでこれらの問題に取り組んだ。具体的に述べると、Gaoらは3種類のヒト心細胞(平滑筋細胞、心筋細胞、内皮細胞)からエキソソームを分離して、心臓発作後のブタの心臓に注入した。エキソソーム投与を受けたブタは未投与動物と比較して心機能がより大きく回復し、瘢痕が小さく、細胞全体を移植したブタと同様な改善を示した。Gaoらは、無細胞のエキソソームは「細胞の保管、移植、免疫拒絶に伴う複雑な問題を回避しながら、医師がhiPSC由来細胞の心保護的・修復的能力を利用できるようにすると考えられる」と述べている。

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