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温暖化による全球乾燥度の変化と人為起源の影響を分析

~世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えることで、乾燥化を大幅に抑制可能~

Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

Research News

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IMAGE: Based on models specifically designed to examine the difference between 1.5C and 2C of global warming, UTokyo researchers reveal major effects of the additional warming on drought in many regions... view more 

Credit: Institute of Industrial Science, the University of Tokyo

東京大学 生産技術研究所の金 炯俊 特任准教授らの研究グループは、過去およそ100年間にわたって地球が乾燥化し続けてきた主な原因が、人間の活動が引き起こした地球温暖化にあることを示した。また、温暖化に伴う今後の乾燥度の変化を分析し、世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えた場合には、2℃に抑えた場合に比べて乾燥化を大幅に抑えうることを示した。

まず、過去に起きた乾燥化の要因を分析した。観測値と新たな数値モデルを使い、自然変動のみを考慮した場合と、人間の活動の影響を考慮した場合それぞれについて、気候変動のシミュレーションを行った。産業化以前の気候と比較すると、人為的要因によって主に蒸発散量が増加し、利用可能な水資源(降水量-蒸発散量)が減少することで、ヨーロッパ、北西アメリカ、北アジア、南米南部、オーストラリア、東アフリカを含む、中高緯度地域を中心に、乾燥化が進んできたという結果が得られた。

一方、将来予測では、年平均の正味放射量と年降水量の比で定義される気候学的乾燥度を指標として、温暖化に伴う乾燥度の変化を分析した。予測シミュレーションデータには、気候変動数値実験プロジェクト(HAPPIプロジェクト)による大規模アンサンブル実験の結果を用いた。その結果、気温上昇度によらず、乾燥化する地域と湿潤化する地域の両方が生じることが予測された。ほとんどの地域で1.5℃上昇時と2℃上昇時とで同じ方向(乾燥化あるいは湿潤化)への変化を示したが、2℃上昇の場合に、1.5℃上昇に比べて大幅に乾燥化する地域(地中海周辺や南米北部、南アフリカなど)が広く見られた。この結果から、気温上昇を1.5℃に抑えることで、地球の乾燥化を大幅に抑えうると考えられる。

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過去に起きた乾燥化に関する研究成果は2020年6月29日(英国夏時間)に「Nature Geoscience」に、今後の温暖化に伴う乾燥化に関する研究成果は2020年9月15日(英国夏時間)に「Environmental Research Letter」に掲載された。

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