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温帯樹は気候による炭素吸収量の増加によって秋の落葉が早まる

American Association for the Advancement of Science

Research News

科学者らは数十年間、現在進んでいる気候変動で温帯性樹木の落葉は徐々に遅くなるだろうと予想してきた。そして初期の観察ではその見解が支持された。この数十年間、温暖化が原因で葉がより長く木に留まり、それによって葉の生育期間が延びて気候変動の速度低下が促されたと考えられるためである。しかし今回、ヨーロッパの樹木についての大規模な研究によってこの傾向が変わりつつあることが示された。実際には、木の生産性が上がるとその木の落葉は早まると考えられる。この結果は、植物の生長は木の組織が炭素を使ったり蓄えたりする能力によって制限されるというエビデンスが増えていることに基づいている。温帯性樹木の生育期間の変化は世界の炭素収支に大きな影響を及ぼすのだが、秋に葉を老化させる環境要因の解明が進んでいないため、生育期が今後どう変化するかの予測は依然として極めて不確かである。温帯地域では、生育末期の秋の落葉は氷点下の気温などのストレス要因への適応である。関係する一般的な仮説では、これらのストレス要因の一部を軽減すること ―― 気候温暖化にできるようなこと ―― で、葉はより長い期間光合成を通して大気中の炭素を多く固定できるようになるとされている。しかし、樹木の葉の老化時期を制御する上での光合成の役割は広く研究されていない。これを行うためにDeborah Zaniらは、中央ヨーロッパの優勢木種についての1948~2015年にわたる長期観察と樹木による炭素吸収を変えるように設計した実験を用いて、老化に関係する影響を評価した。総合すると、彼らのデータによって、二酸化炭素量・気温・日射量の上昇による春と夏の生育期生産性の伸びが葉の老化を早める ―― 遅らせるのではない ―― ことが示された。これは、根や幹・枝が葉の取り込んだ炭素を使用したり蓄えたりすることをある時点でやめ、それによって葉を維持するのは犠牲が大きくなるからと推測される。Zaniらは自分たちの観察結果を使って、通常の気候シナリオ下でより正確に秋の老化を予測するモデルを構築した。そのモデルによると、残る今世紀に秋の落葉期が少し早まる ―― 遅れるのではない ―― 可能性が予測された。この結果は、「生育期が延びることで森林での季節的な炭素吸収がどの程度増加するかについての私たちの期待値を大幅に下げる」ものだと彼らは書いている。とは言うものの、他の種類の森林にもこのパターンが通用するかどうかはまだ分からない。彼らによると、次なる重要な研究方法は地球システムと植生のモデルで生育期間を制約することだと言う。現在のところ、それらのモデルは制約の影響力を考慮せずに、植物の季節的な二酸化炭素吸収を予測している。関係するPerspectiveではこの結果について詳しく論じている。

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