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高いゲノム多様性は避難させたサバクゴファーガメの生存を予測し、保護のための情報を提供できる

American Association for the Advancement of Science

Research News

保護のために避難させたカメは、遺伝的多様性が高いカメの方が低いカメよりも移殖場所において生存する割合が高いことが、新たな研究により示されている。この結果から、移殖の取り組みにおいて対象とする個体を選択する際に、対象個体群と地理的または遺伝的に最も類似性が高いことが判明した個体にのみ焦点を当てるのではなく、遺伝的多様性を考慮すべきであることが示唆される。ヒトの活動や気候変動のために、記録的に多くの生物種が絶滅の危機にさらされており、世界的な課題として多数の保護の取り組みが行われている。絶滅に瀕している生物種を保護するために行われている1つの方法として、絶滅に瀕している植物や動物の個体を、局地的に絶滅してしまった地域から、あるいは減少しつつある生息集団の増加を促進するような新たな地域へと移殖するというものがある。この方法はますます一般的になりつつあるが、長期にわたり成功することが極めて少ないため、多くの場合は最終手段として取っておかれている。この分野で現在行われている議論は、このような取り組みが、環境が類似した地域にいる個体を選ぶ場合、遺伝的に近い対象個体群から選ぶ場合、あるいは全体的な遺伝的多様性に焦点を当てて選ぶ場合の、いずれが最も成功するのかというものである。これらの選択のための仮説を検証するためにPeter Scottらは、ネバダ州にあるDesert Tortoise Conservation Centerの移殖場所に移された、モハーヴェ砂漠のサバクゴファーガメ(多くはこれまでにペットとして捕獲されたもの)の長期データセットを利用した。Scottらは、避難させられて20年間に生存したか死亡した166匹のサバクゴファーガメのゲノムデータを分析し、地理的距離や遺伝的類似性はいずれも移殖後の生存に影響しないことを見出した。その代わり、生存成功の最も強い予測因子はヘテロ接合性であり、ゲノム多様性が最も高い個体が、そうでない個体よりもはるかに生存率が高かった。著者らは、この結果に見られた生存率上昇の背景にある理由を理解するためにはさらなる研究が必要であると記しているが、今回の新たな知見は、現在行われている移殖の取り組みを改善する方法を示唆するものである。

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