News Release 

プラズマを利用した空力騒音の低減

より静粛な快適な輸送機関を目指して

Toyohashi University of Technology (TUT)

Research News

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IMAGE: Top view (top) and cross-sectional view (bottom). The plasma actuator consists of top and bottom electrodes and a dielectric layer between them. view more 

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<概要>

豊橋技術科学大学機械工学系の研究チームは、プラズマを用いた騒音低減手法を開発しました。高速列車の車間部周りの流れのようなキャビティ流れでは強い音が発生する場合があります。プラズマの生成により生じる誘起流を利用するプラズマアクチュエータにより、こうした音の抑制を試みました。同等のプラズマアクチュエータの消費電力で比較した場合、プラズマアクチュエータを間欠的に駆動することで、連続的に駆動した場合より、より大きな騒音低減が得られることがわかりました。

<詳細>

豊橋技術科学大学機械工学系の研究チームは空気中のプラズマ発生を利用し、気流から発生する音(空力騒音)を低減する手法を開発しました。穴や凹形状を通る流れはキャビティ流れと呼ばれ、しばしば空力騒音(キャビティ音)が発生します。プラズマアクチュエータは空気中にプラズマを発生させ様々な流れを誘起できるデバイスです。そこで、プラズマアクチュエータをこのキャビティ音の低減に適用しました。その結果最大35 dBの騒音低減を達成しました。さらに、適切な周波数でプラズマアクチュエータのオン・オフを切り替えることで、同等のプラズマアクチュエータの消費電力で比較した際、連続的に駆動する場合より大きく騒音を低減できることを明らかにしました。この研究成果は2020年9月10日にPhysics of Fluidsに掲載されました。

高速鉄道の車両車間部や飛行機の着陸装置格納部のようなキャビティ流れからは、強い空力騒音が発生する場合があります。こうしたキャビティ音は乗客にとって不快であるため、低減する必要があります。近年、上部と下部二つの電極によって薄い誘電体を挟んだ形状のプラズマアクアチェータと呼ばれるデバイスが、流体制御デバイスとして開発が進んでいます。

 豊橋技術科学大学の研究チームは、プラズマアクチュエータにより強いキャビティ音の原因となる渦構造を弱めることに成功しました。その結果、キャビティ音を低減することができ、最大の低減レベルは35 dBでした。さらに、プラズマアクチュエータを駆動するために必要な消費電力を低減するため、プラズマアクチュエータのオン・オフを周期的に切り替える駆動を行いました。このような駆動を間欠駆動と呼びます。適切な周波数での間欠制御は同等の消費電力で比較した際、連続的に駆動する場合より大きく騒音を低減することができました。流れや音についてスーパーコンピュータを用いて解析した結果、プラズマアクチュエータにより制御を行うことで、強い音の原因となる気流中の渦構造が弱まっていることがわかりました。さらに適切な間欠周波数での間欠駆動によりキャビティ音は常に抑制された状態となることがわかりました。

<開発秘話>

キャビティ音の発生メカニズムは口笛と似ています。口笛を吹いている時に指を口につけたり離したりすると、口笛は止まったり、鳴り出したりします。われわれは指の動かすスピードの影響に着目しました。十分早く指を動かすことによって口笛は常に止まった状態になるのか、止まったり鳴り出したりを素早く繰り返すのか疑問を持ちました。プラズマアクチュエータの高い時間応答異性を利用し、この一つの答えがでました。適切な周波数での間欠制御により連続的な音の低減ができることを明らかにしました。この適切な間欠周波数がキャビティの形状に依存することも明らかになりました。

<今後の展望>

プラズマアクチュエータの実用化において、誘起流の速度の限界があることや高電圧を用いることの安全性の問題などがまだあります。しかしながら、研究チームは、この騒音制御手法が直接的もしくは間接的に快適な輸送機関の開発につながると信じています。輸送機関の高速化を考える際に空力騒音の増加が大きな問題の一つとなります。そのため、空力騒音の低減機構を確立することは低騒音なより速い輸送機関の開発にもつながると考えられます。

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<論文情報>

Hiroshi Yokoyama, Keisuke Otsuka, Katsuya Otake, Masahito Nishikawara, Hideki Yanada, "Control of Cavity Flow with Acoustic Radiation by an Intermittently Driven Plasma Actuator", Physics of Fluids, 32(10), 106104-1-106104-20, 2020 October, DOI:10.1063/5.0017658.

本研究はJSPS科研費JP17K06153の助成を受けて実施しました。ここに深く謝意を表します。

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