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一般的な農薬は、散布が減っても、やがては標的外生物種を死に至らしめる

American Association for the Advancement of Science

Research News

25年間に及ぶ農薬使用について分析を行った新しい研究によると、農薬の総使用量は減少したとは言え、一般的に使用される農薬の標的以外の生物種、特に水生無脊椎動物や授粉媒介者に対する毒性はここ数十年でかなり上昇したという。これは、ピレスロイド系やネオニコチノイド系といった毒性の高い農薬が広く使用されたことに起因する。今回の研究結果は、農薬使用が環境に与える全般的影響は減少したという見解に疑問を投げかけるものであった。散布された農薬の人間や環境への影響は、多くの場合、使用率(1ヘクタール当たりのグラム数など)や総使用量(年間のグラム数など)の比較を基にしている。しかし、環境的見地から言うと、こういった重量ベースの測定値では散布された農薬の特異的な毒性を明確にできないことが多い。固有の毒性は桁違いに種々様々なのである。定期的に使用される農薬は今日減ってはいるが、その種類 ―― および毒性 ―― は大きく変化した。農薬の環境への経時的影響について解明を進めるべく、Ralf Schulzらはアメリカ地質調査所とアメリカ環境保護庁のデータを使用し、1992~2016年におけるアメリカでの381の農薬の使用について重量ベースのアセスメントを考案した。そのアセスメントでは、それらの毒性について明らかにするとともに、標的外の8生物種への影響も評価している。彼らの説明によると、農薬の使用方法は農薬に耐性のある遺伝子組み換え作物の導入で大きく変化したという。Schulzらは、農薬の総散布量が減少し、脊椎動物への影響も低下したにもかかわらず、甲殻類や水生昆虫の幼虫などの標的外水生無脊椎動物やハナバチといった授粉媒介種に対する農薬の毒性は大きく上昇したことを発見した。これらの影響は、ピレスロイド系やネオニコチノイド系の殺虫剤の使用が最近増加したことに関係すると考えられる。加えてSchulzらは、この10年で遺伝子組み換えトウモロコシに使用する農薬の標的外無脊椎動物と授粉媒介者への有毒作用と、除草剤耐性大豆に使用する農薬の陸生植物への有毒作用が拡大したことも発見した。「多数の差し迫った危険性と耐性の問題を踏まえて、農薬の危険性をより的確に政策戦略に組み入れ、回復力のある地球生産系の発展を目指さなければならない」とSchulzらは述べている。

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