研究者らは、モンテベルデ - チリの重要な考古学遺跡 - に関する50年ぶりの独立調査の結果、その遺跡はこれまで考えられていたよりはるかに新しい可能性があると報告している。その研究によると、モンテベルデは8,000年から4,000年前の遺跡で、これまで考えられていたような14,500年前のものではないという。この研究結果によって、アメリカ大陸への最初の入植者の物語は書き換わり(ただし、南アメリカ大陸におけるクローヴィス以前の人類の存在が排除されたのではない。それは他の遺跡で裏付けられている)、また、古い考古学遺跡について独立した検証が必要であることも強調された。モンテベルデは、人類が最後に入植した大陸である南アメリカ大陸に人類が初めて到達した年代を知る上で最も重要な考古学遺跡の一つである。この遺跡を構成するモンテベルデII層の発掘では、石器や保存状態の良い有機物質、例えば木製品、索具、絶滅した更新世の動物相の化石などが発見された。以前の年代測定でこの遺跡には約14,500年前に人類が居住していたと示されたことから、ここは、かつてアメリカ大陸における最初の人類定住の有力な指標であったクローヴィス文化より約1,500年古いことになる。モンテベルデでの発見については、南アメリカ大陸南部におけるクローヴィス以前の人類の存在を示す重要なエビデンスであることは広く認められているものの、長きにわたって議論が交わされている。遺物、堆積物層、放射性炭素年代が正確に結び付いているかどうか疑問だという批判もあり、古代物質の再堆積や年代測定の誤りでこの遺跡の年代が誇張されている可能性がある。
Todd Surovellらは今回、モンテベルデの年代は過大評価と考えられるとしている。彼らは、隣接するChinchihuapi Creekの川岸沿いの9つの露出堆積物について記述、採取、年代測定を実施し、モンテベルデIIの年代と地質学的背景を再検討した。この解析によって、この遺跡がある放棄された氾濫原はこれまでの認識よりはるかに複雑であることが示された。この解析結果によると、この地域には約26,000年から15,500年前の間に融氷水によって堆積した砂と砂利の層があり、その上に古代の木材、湿地堆積物、火山灰層が堆積しているという。また、この火山灰層は広範囲に広がるLepúe Tephraであることが特定されており、その年代は約11,000年前と正確な推定がなされている。Surovellらは、その火山灰層の上にこの考古学遺跡のある氾濫原堆積物があることから、遺跡の年代は11,000年前より新しいに違いないと主張している。更に、氾濫原堆積物の木材と泥炭の放射性炭素年代測定で約8,200年から4,100年の間という年代が得られ、この堆積は中期完新世に形成されたことも示唆された。彼らは、この遺跡について以前報告された古い年代は、浸食によってこの遺跡に再堆積した古い堆積物による後期更新世の物質の影響を受けている可能性があると述べている。今回の発見により、モンテベルデIIの年代は中期完新世かそれより新しいことが示唆され、この遺跡は氷河時代後期のかなり早い時期のものという以前の解釈に異議が唱えられた。
PerspectiveではJason Rechがこの研究と研究結果の意義について論じている。Rechは、「数十年にわたりモンテベルデによってアメリカ大陸への初期入植の年代が裏付けられてきたが、現在は状況が変化し、他にもクローヴィス文化以前と思われる遺跡が多くある」と書いている。「ただSurovellらが結論付けたように、彼らの研究結果によって古い考古学遺跡については独立した検証が必要であることは強調された。」