このPolicy Forumの著者によれば、国際的なペットの売買は、北米の豊かな野生サンショウウオ集団に致死的な真菌感染症を広める恐れがあるため、停止させる必要がある。Batrachochytrium salamandrivorans(Bsal)は、サンショウウオに感染する真菌で、病原性が高くしばしば致死的な感染を引き起こし、野生集団が感染するとそれを制御する有効な方法はないとTiffany Yapは述べている。Bsalはアジアが発端で、国際的なペットの売買により野生のヨーロッパサンショウウオに広まったと言われており、オランダで大量死をもたらし、北米(認識されている全てのサンショウウオ種のほぼ半数が住む)を危険にさらしている。Yapらは、北米でBsalの生息に最も適した場所の地図と、サンショウウオの生物多様性が最も大きい領域を重ね合わせ、野生サンショウウオが最も害を受けやすい場所の推定モデルを作成した。3つの高リスク領域があり、最も活発な5つの米国の貿易港がすべてその領域の中か近傍にあることが明らかになった。Yapらは、Bsalの蔓延を止める方法が確立されるまで、生きているサンショウウオの輸入を即刻禁止することを求めている。米国による速やかな行動は重要であるが、それだけではまだ不十分だという。動物の健康に携わる既存の国際機関が野生動物の伝染病を優先させて国際的なペットの売買に介入する必要な権力を付与されるか、新しい組織を設立する必要がある。
Article #3: "Averting a North American biodiversity crisis," by T.A. Yap; R.F. Ambrose at University of California, Los Angeles in Los Angeles, CA; T.A. Yap; M.S. Koo; D.B. Wake; V.T. Vredenburg at University of California, Berkeley in Berkeley, CA; T.A. Yap; V.T. Vredenburg at San Francisco State University in San Francisco, CA.
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